2008年10月5日

「クレスコ」連載への反響 その1


教職員向けの雑誌 「クレスコ」に15回にわたって連載されていた 「環境教育 善意の落とし穴」、大反響だったようです。 http://www.zenkyo.biz/html/menu7/2008/20080925130704.html http://www.zenkyo.biz/html/menu7/mokuji.html


担当者さんからうれしいお知らせをいただきました!


「読者からの連載への感想を、添付ファイルで送らせていただきます。 「目からウロコ」ということばを使った感想が、たくさ んありました。  毎回、こんなにも多くの感想が寄せられる連載は初めてでした。」

 『クレスコ』 編集部  朝岡 晶子



バックナンバーをご希望の方は、上記メールアドレスまでご連絡ください!


ほんの一部ですが、読者の方々からの感想を掲載させていただきます。

後半は後日掲載いたします。


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『クレスコ』2007年7月号~2008年9月号

田中 優さん連載「環境教育-善意の落とし穴」への読者からの感想  (その1)


*2007年7月号

◇新教職員のための教養講座…ひとくちに「環境教育」というと、当たりがよく、エコとかリサイクルとかいえば、なにか「やっている」気になれる。だが、本質的にはそれが環境問題の解決にはつながらない(そういう意識は大事だと私は思うが)ということを、こうして改めて解かれると、う~む、認識不足だったなぁ、とつくづく思い知らされた。家庭ごみ節減で解決=竹槍でB29爆撃機に立ち向かおうとした、という表現はピッタリ。


◇10年ほど前から、割りばしをつかわない「マイはし」を実践しているが、割りばしそのものが環境にとって悪いものではないという本も書かれている。生徒に環境を大切にしようと語っていても、本当に大切なことは何かとの疑問がいつもつきまとっている。田中優さんの「環境教育 善意の落とし穴」が一つの答えになりそうだ。次号からもしっかり読みたい。楽しみだ。


*8月号

◇田中優さんの「環境教育・善意の落とし穴」2回目は、ショックだった。私が発展途上国に援助している、中古自転車や古着や食料がその国の自転車屋さんや繊維産業や農家を破綻させているという話だ。19世紀にイギリスが産業革命で安価になった綿製品をインドに輸出して、インドの綿工業を破綻させたと世界史で教えていることが、いま日本人の手で同じことをしているのだ。知らないということは恐ろしいことだ。でも、どうしたらいいのかわからない。


◇田中さんの「環境教育」にも、ただ驚きです。ゴミを輸出しているなんて!そのせいで困っている人がいるなんて、知らなかった。ではどうすればいいのだろう?今、小さい子を持つ母親の間で環境問題はとても関心が高い。憲法や教育よりも圧倒的に関心があるみたい。しかも、マイ箸を持って歩こうというような、身近なことをすぐに実行に移している。ほとんど安倍夫妻出演の新聞広告と同じ発想で、これで環境問題は解決するはずはない。では本当にやるべきことは何なのか?環境問題の核心はこれだ!という決定版も今後の連載で教えてほしいです。


*9月号

◇環境教育・善意の落とし穴…日本全体の二酸化炭素の半分が、わずか167の工場から排出されているものとは!いつも自分は知らないことが多いなあと思わされるこの連載。通底しているのは、一部の問題が全体の問題にすりかえられているという点である。それでは解決を見ることはないであろうことは明瞭なのに、問題を矮小化する。これはもはや「犯罪」ではないだろうか。


*10月号

◇教養講座…毎回、目からウロコの教養講座です。節電を!といわれている私たちの電気消費量が全体の4分の1、ピーク時には1割にも満たないとは! しかも、そもそもが、環境保護という観点ではなく、自らの不始末のツケまわしに過ぎないことに、私たちが払った電気料金を使い、メディアで宣伝をするなんて、やっぱりおかしい。


*11月号

◇田中さんの環境教育。貯金まで戦争に荷担していたとは。そういえば、米国が「名誉ある孤立」を捨てて第二次世界大戦に参戦したのは、ヨーロッパへの莫大な借款が敗戦したら焦げ付くのを恐れてのことだった、という説を思い出しました。戦争の陰にお金あり!


◇堤未果さんと田中優さんの今回の記事はとても共通性のある内容でした。 安ければよい、でも、その値段・価格を決定しているものは何なのか、私たちはもっと敏感になる必要があると思います。労働者の汗ですよ。 定期的に自宅に送られてくる通信販売のカタログには、環境保護のため植林活動を海外でおこなっていることがPRされているけれど、田中さんが指摘するとおり、環境保護に役立っていると強調するには問題があります。 そこを見抜く力が市民には必要であり、教育がはたす役割はおおきいですね。


*12月号

◇「環境教育 善意の落とし穴」が毎回楽しみであり、目からウロコの話が多く、私のライフスタイルを見直すきっかけになってきた。寒くなって石油ファンヒーターを出して使い始めたが、灯油の値の高さを思い知った。来年は家族と相談してペレットストーブを買おうかなと思う。  年が明けると、また杉花粉症に悩まされる。日本の森林をメチャクチャにした林野庁の責任は大きいぞ。


◇「環境教育 善意の落とし穴」…ペレットストーブに関心を持ちました(教室で大型の石油ファンヒーターを使っていますが、消火したときの匂いがひどいので、ものすごく有毒だと思います。)


*2008年1月号

◇「環境教育 善意の落とし穴⑦」――政治や行政、つまるところは権力というものは、自分たちの考えを通すためなら何でもする、ということがひとつのダムの問題から、浮き彫りにされている。画像による錯覚を生ませ、データの捏造を行ない、そして導水路を地図から消してまで…。ことによると、現在の政治の焦点となっているガソリン税問題にも、この種のまやかしがあるのではないだろうか。  私たち市民は、こと権力に対するかぎり、"お人よし"では絶対にダメだ、そう痛感させられるレポートだった。


*2月号

◇私は高校の地歴公民科で、「地理」や「現代社会」を教えているが、今号の環境教育 善意の落とし穴⑧「地球にやさしい」油やし?は、このままコピーしてプリントで1時間(いやもっと)の授業ができる内容であった。東南アジアのボルネオ島(カリマンタン島)の現実だ。私たち先進国の消費者のためにいかに自然が破壊され、油やしプランテーションで、企業が現地の人びとを囲い込み、人権を奪っている現状は、1世紀前の植民地時代と変わらない現状だ。オランウータンは絶滅に向かい、地球は益々温暖化する。農薬による汚染も無視できない。TVでもときどきとりあげているが、知らない人びとが圧倒的多数であろう。私がいまできることは私の授業で子どもたちに知らせること、考えさせることしかないのでは。日本の中の人びとの格差より、世界の人びとの格差がいかに大きいことか。いまの目の前の高校生たちがいかに恵まれているか。でも、一人ひとりは問題をかかえているのですね。


*3月号

◇「環境教育 善意の落とし穴」…今回は、「やめられないクルマ依存」でした。地方では、バス路線が廃止されたり、ローカル鉄道がなくされています。その代わりに道路がものすごい勢いで整備されてきています。世の中あげてクルマ依存にさせて、環境を悪化させているわけです。これこそ究極の「政治による環境破壊」ではないでしょうか。


(つづく)