2015年12月7日

田中優×ウォン・ウィンツァンさん対談 ~戦争について~(2015.6.14) part1

2015.12.4発行 田中優無料メルマガ より
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2015.6.14 satowa music様 主催
【ウォン・ウィンツァン特別企画 田中優さんに語らせる、、、】 出演時の
田中優×ウォン・ウィンツァンさん対談の書き起こしです。

この対談の前に田中優の講演がありました。
その際の動画と書き起こしはこちらです。

『田中優・戦争のカラクリ・平和の実現、幸せとは』part.1 (動画あり)
http://tanakayu.blogspot.jp/2015/11/part1.html


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■戦争は資源の奪い合いで起こる


ウォン・ウィンツァンさん(以下、ウォン:敬称略)
「優さんのお話は情報満載で、一生懸命書き留めました。領収書に(笑)
でも書き留めきれずにたくさん落ちているんですけど。

 まず戦争と言うのは、ぼくたちには見えない部分がたくさんあって、みんな勘違いをしているのかもしれない。領土紛争や人間の歴史って本当に戦争の歴史じゃない?昔は戦うことがむしろ美徳だった。ある時から、たぶん第一次大戦前後くらいから全く違うものに変質していて、戦争には色々な嫌なものがつきまとっている、ということがだんだんわかってきた。
 まだわかっていない人の方がほとんどなんだけど、その一つがやっぱり資源の問題というのがあって・・誰かが儲かるんだよね?」


田中優(以下、優) 
「そういうことだよね。アフリカの紛争国は必ず資源が豊かな国なの。資源が豊かな国以外は紛争になっていない。それとウォンさんと関係があるかどうかわからないけど、ブータンと中国って国境があるか知ってる?」

ウォン「知ってる。あそこではいつも領土争いみたいなのがあるんですよね?」

「でもね、何で決めなかったかというと、その部分には何の資源もなかったから、別にこの辺でいいやっていうところで明瞭な線をつける必要がなかった。だからそれがまた資源として使えるとか地下資源が見つかるとかになるとまた変わってくる、という状況なんだけど。」

ウォン「ブータンというと幸せ度がすごく高い国で紛争がないように見えるけど、実は国境線では中国との間でいつもあるんだよね。でも大きな話にはならないよね。」

「それだけじゃなくて、ブータンと言う国は、国外に追放するっていう制度があって、何と幸せじゃないと言う人たちは国外に追放されるんだよ。」

ウォン(笑)

「だからブータンの幸せ度が高いなんて、そんなの信じるなよ~って思うけどね(笑)」

ウォン「すいません(笑)やっぱりそういうことあるんだよね。」

「あるんだよねー本当に・・。」


ウォン「まぁ、ブータンの話もあるんだけど資源の話で言うならば、そのウクライナの紛争も結局はパイプライン・・」

「そう。天然ガスを一番持っているのがロシアなんですよ。そのロシアからヨーロッパに天然ガスのパイプラインがわーっといっているんだけど、それみんなウクライナのど真ん中を抜けていくの。だからウクライナが重要だった、というのがすごく大きなファクターになっている。」

ウォン「要するに反ロシア的な勢力が、新ロシア的な勢力との戦いに簡単に表面化しているけど、実はアメリカが応援していると。」

「今の政権はネオナチみたいなグループが政権になっちゃったんだから、極右のグループが政権をとっちゃうなんてあり得ないでしょう。しかもそういう風に共産主義化させないためにだったら、「ジョージ・ソロス」のような投資家の人たちはその共産主義を抑えるためだったら私たちはお金を出すって平然と言って、その大きな財団がどんどんお金を注いでいるんだもの。だから戦争が止まらなくなる。」


■私たちの貯金が戦争の資金に

「そして戦争には先ほど言ったので言うと資源、軍需企業、それとおカネ、おカネの投資、これがやっぱり大きくって、実は日本が戦争をした時の資金って、イラク戦争もそうだけどみんなの郵便貯金だから。郵便貯金で戦争をしたんで。」

ウォン「ぼくその話を今日聞いてショックだったよ。ぼくたちが国に払っているお金がそのまま戦争に使われているってことだよね。」


「国に預けたお金がね。郵便貯金、簡易保険、年金、この部分のお金がかつては財政投融資って言ったんだけど、今名前は変わったけど行き先は一緒。

 それで今回ふざけているのは、東芝の株価って本来はもっと下がるはずなの。なにせ投資適格性がないっていと判断される粉飾決済をしたので。だからあそこは本当は東京証券取引所とかから排除されるはずなのね。それでストップ安まで値段が下がったんだけど、その後株価が持ち直してきているんだよ。

 そのお金が何から来ているか、やっとわかった。何と、皆さんの郵便貯金のお金。これが自由化されて、アメリカに軍需以外では世界最大の投資会社ブラックロックと言うのがあって、日本にはブラックロックジャパンというのがあって、ここの社長についているのが元郵貯の代表なんだよ。そいつのところからものすごいお金が迂回融資で東芝に流れているんだよね。

 でこれは自由化されなければそんな使い方はできなかったので、小泉元首相なんだよね、この仕組みを作ったのが。だから小泉はどう考えているんだろうね、今は反原発と言っているけど、あんたが作った仕組みのせいで、東芝はいつまでも生き延びるんだぞ。

 そしてもし東芝が潰れたら、皆さんの年金がなくなるか郵貯がなくなるか、そういう事態になる。

 だって現実に日本が戦争に負けた時、郵便貯金は3割カットだから一律、全員。しかも半年間封鎖でその間に物価は6倍上がって、一定額しか引き出せなかった。ほとんどの人は10年間下ろせなかった。その間に物価は300倍上がったんだよ。だから900分の2しか戻ってこなかった。それが日本の郵便貯金の歴史なのに、再び同じことをやろうとしているのが現状だからね。

 ぼくの方としてはそのおカネをあんまり安易なところに預けるのはやめて欲しいって思っている。というのはそれは戦前戦中と全く同じことを繰り返すことになるから、だから貯金は白紙委任状をつけてどこかの銀行に渡したり郵貯に預けたり、そういうことをするんじゃなくて、自分たちが本当に大事だと思うところに使って欲しいって思うけどね。」


ウォン「そうなんだよね、すごくみんな儲かるから色んなところに投資をして、儲かればいいじゃないみたいな感じでみんな投資しているけど、実はというとその企業が何をやっているかというのをしっかり見る必要があるとぼくは思うんだよね。」


■ハゲタカファンドが一番儲かる

「実はね、世界の投資の中で儲かる方法っていうのがあるのよ。ハゲタカファンドって知ってる? 死体の上で舞い踊るからハゲタカっていうんだけど、例えば途上国に貧しすぎてもう返済できなくなっちゃった債権ってあるじゃない? 

 その債権って、だいたい額面の5%位で買うことができるの。額面の5%位で買っておいて、いまどきだから債務の免除をしないとあまりにもこの国の人たちが餓死し続けるから、免除しましょうとするじゃない? 

 そうすると免除を受けた途端にその免除されたおカネを全部ハゲタカファンドが取っちゃえってことで、5%で買ったくせに120%くらいで、つまり金利も乗せて取り上げるの。それが一番儲かるよ。だから投資するんだったらハゲタカファンドが一番いい、おカネを儲けたければね。その代わり人はメチャクチャ死ぬけどね。

 だからこういうのはもうやめたいと思うよね。

 だから我々生きていく中で人を踏みつけて人を殺してまで儲けたいの? って、つくづく思うんだけど。でも仕組みはそういう風になっちゃっていると思う。」


■戦争に使われる日本の技術


ウォン「今日本は徐々に戦争に近づいている。一番見えないところがその企業だよね。企業が、先ほどの軍需産業のトップ100の中に日本の企業が6社って言われてましたけど、実はぼくの親戚がペンタゴンで働いているんだよ。」

「がーん、そうなの!?」

ウォン「うん・・すんごく良い人でいつもお互い大事にしているんだけど、その人がおっしゃってくれたの。ぼくたちがお手洗いに行くと流れてるセラミックがありますよね?水がとうとうと流れるやつ、あれがちゃんとアメリカの軍需産業に提供しているわけ。それ初めて聞いた。」

「何のために?」

ウォン「セラミックが弾丸や爆弾とかから防御するためにすごく硬いセラミックなんだよね。だから実は6社だけじゃない、結構色んな会社が徐々にアメリカの軍需産業を応援している。」

「そうだよね。」

ウォン「そして今仰っていたように、宇宙戦争。これはもう日本にはアメリカの軍需産業にとってはよだれが出るくらいの高性能な、すぐ使える技術がたくさん日本にあるんだよね。」

「例えば電子レンジってあるじゃない。あの電子レンジって中でチーンとかやっている時に、電磁波がさほど飛んでこないからみんな安心して使っているわけだけど、あの電子レンジの内壁ってこれ、ステルス、全然レーダーに捕捉されない飛行機の外側に使われているんです。日本製です。
 そこからステルスが作られていったんだけど、そういう意味では本当に色んなところの技術が応用されていくんだけど、でもそれもやっぱり戦争のために使っていくのだけはやめてくれと出していかないとダメだって思うけどね。」


ウォン「戦後に憲法ができました、ぼくたちはもう戦争をしないよ、それに関わる技術も提供しないよと。表向きには憲法の上で成り立って、曲がりなりにも70年間平和を維持してきたけれど、徐々に徐々に崩されてきている。それで、今の政権の話になってくるんだけど、自衛隊を送る送らないももちろんあるんだけれど、今産業そのものが思いきり戦争に近づいているんだよね。」


「現地でNGOが活動するじゃない、紛争地とか行くんだけど一番最初にNGO以外のところが入ってきたり、NGOが入っている時点で入ってくるのは実は企業なんだよ。

 だから企業戦士たちというのはものすごいよ、戦争が利益になるからと本当に胡散臭い連中がいっぱい入ってくるんだ。その後に大手の企業から派遣された人が次に入ってくる。だから我々の本当に一枚紙をめくってみるとその向こう側は戦争みたいな状況になってきているよね。」


ウォン「今度はそれを大手を振ってやろうとしているから、何とかこの集団的自衛権という形を今の政権が色んな形で説明しているけど、どれも説得力がないというか論理的に破綻しているから観念論ばかりじゃないですか。反論する人たち、例えば今回憲法学者200人位がNOと言ったわけだけど、3人しかYESと言わなかったんだよね。本当に破綻しているんですよね。
 ぼくは金融が戦争に大きく関わっていると薄々思っていたけれど、今回ハッキリした名前まで出てきた。結局本当に儲かるんだよね。」


■軍需産業と構造が似ている原発

「そのために戦争をしつらえてくるというのがものすごくあって、だからこれ構造的によく見てみると原発とよく似ているよね。日本の企業の6~7割は原発と利益共同体になっているという説があるけど、実は原発では「総括原価方式」といって、かけたお金に3%の電力会社の利益を乗せてみんなからとれるの。だからいっぱいお金をかけたらかけた分だけ儲かるの。

 だからそのために原発をやっていくんだけど、その原発を受注しているメーカーは、わざわざ高い値段で買ってもらえるのよ。だって電力会社は高い値段を払った方がその3%の利益だからその方が利益が上がるんで。そういう風にしてメーカーはみんな原発に毒された。

 そして金融機関も今3%の利益って言ったけどこのパーセンテージって、銀行から借りる金利とイコールで上がっていくの。だから本当は電力会社ってものすごく信用の高い会社だから、0.1%くらいで借りられるんですよ。それをわざと高い金利で借りるの。だから銀行にとってみると全く安心な相手なのにわざと高い金利で借りてくれるから大喜びで貸すわけ。そのおかげで金融機関も原発の軍門に下った。それと同じ構造を今度は軍事にやろうとしている、っていうことだと思うね。」





対談パート2へ続く