2016年10月31日

『どう放射能を避けたらいいのか』

ただ今「田中優有料&活動支援版メルマガ "未来レポート"」バックナンバー(主に文章のみ)を公開中!

今回は、2012.10.2発行 第24号 『どう放射能を避けたらいいのか』です。
どうぞ"お試し読み"ください。
※データなどはこの有料・活動支援版メルマガを発行した2012.10.12現在のものです。


□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■ 



『どう放射能を避けたらいいのか』


■ 放射能に向き合う

筑摩書房から頼まれた原発の本が遅れに遅れている。怠惰ではないのだが、時間が取れなくてぼくのせいで遅れている。申し訳ない…。

 ただしその一方で、内容は深みを増した。特に放射能の影響についていろいろ読んで考えまくった結果、だいぶ自説ができてきた。もちろん自説なのであって、客観的に正しいと言われるようなものではない。本を全部載せることはできないので、そのエッセンス的な部分をここで紹介したい。

 まずは放射能はあぶなくないと盛んに御用学者が言っているが、このデータを見てほしい。

 これはウクライナ政府が出している報告書のグラフで、被曝した親から生まれた子どもの健康な子どもと慢性的な病気を持った子の比率だ。
 なんと8割近い子どもが病気になってしまっている。

 放射能が安全なら、こんな事態にはなっていないはずだ。しかもこのデータはウクライナ政府が公的に発表しているものだ。


■ 外部被曝と内部被曝

 以前、区役所の環境セクションにいたときに、魚の汚染調査をしたことがある。
網を投げて魚を取り、それを検査機関に送って有毒物質の調査をする。そのとき偶然に網に背骨の曲がった魚がかかった。珍しいことでもあるし、早速その魚を検査機関に出した。結果は「汚染なし」だった。

 ここが不思議に思えるところだが、背骨の曲がりは発生段階の早い時点で起きたことだ。つまりまだほんの幼魚のときに発生した事態なのだ。卵かもしれないし、その直後かもしれない。そのときに放射線か有害物質などの催奇形性物質の影響を受けたのだ。幸い軽度であったので、魚はその後もずっと生き延びた。
 つまりその被害は発生段階の早い時点で一回加害を与え、その後は普通の状態だったのだ。
 しかし発生段階の早い段階でのダメージは、そのまま背骨の曲がりとしてずっと残されたのだ。

 外から放射線を浴びる「外部被曝」はこれによく似ている。発生段階のどこかでダメージを与えられたせいで、その痕跡が残るのだ。その後の環境には左右されずに残る。

 外部被曝の1ミリシーベルトとは、体の60兆個、すべての細胞の核を、一回放射線が突き抜けることを指しているから、とても大きな被害を与える。余分に浴びることの最大限度が1ミリシーベルトまでというのは、それでも多すぎるということは言えても、とてもではないが軽い被曝ではない。しかし日本政府は今、これを20ミリシーベルトまでにしてしまっている。

 しかしシーベルトは被曝量なので、計算された値だ。客観的な数値ではなく、評価が入り込む隙がある。特に体内被曝では、臓器全体にまんべんなく被曝させる計算になっていたり、セシウムがガンマ線を出す数分前に出しているベータ線を無視していたりして、とてもではないが信用できない。

 それに対してベクレルは、放射性物質から発せられた一秒間に一個の電離放射線を示すだけだ。これには評価の入る隙はない。しかし外から発せられる放射線が自分に当たるかどうかは運次第だが、体内から発せられたときは必ず当たる。ベクレルは体内からの内部被曝のときには確実なものとなる。



■ 予測できる被害


 外部被曝は「天才バカポン」に出てくる、ピストルを撃ちまくる目のつながったおまわりさんのようなものだ。流れ弾に当たるかどうかの問題だから、確率的に決着をつけるには保険確率のような「大数の法則」と呼ばれる膨大な数のデータが必要になる。それが得られないから原発推進派は安心して「安全だ」とウソが言える。

 しかし内部被曝は確実だ。それを調べてしまったのがベラルーシのゴメリ医科大学学長だったバンダジェフスキー氏だった。彼は亡くなった患者の臓器のセシウムレベルを計り、その人の疾病と比較したのだ。そこには明らかな関連があった。そのことを発表した数日後、彼は冤罪で獄中につながれ、アムネスティーが救い出すまで5年間も外に出られなかった。

 放射能による疾病は、明らかに体内の放射能量と比例するのだ。

 これを日本の御用学者たちは攻撃する。バンダジェフスキーはデタラメだ、権威もないしろくな論文もないと。しかしバンダジェフスキー氏はwikipediaによれば、「ベラルーシコムソモール賞、アルバート・シュバイツァーのゴールドメダル、ポーランド医学アカデミーのゴールドスターを授与され、氏の指導のもと、30の博士論文が作成され、200篇の文献が作成された」とある。日本の御用学者がシュバイツァーのゴールドメダルを獲得しているものだろうか。

 バンダジェフスキー氏のデータでは、子どもの体内のセシウムが、体重1kgあたりわずか11ベクレルを超えるだけで正常な心電図が35%まで減るとしている。

 そして体内でのセシウムが最も蓄積する臓器が、甲状腺であることを明らかにしている。


 このことは、(2012年)9月に発表された福島県内の子どもの甲状腺の「のう胞」発見レベルに、恐ろしい未来を暗示する。データは、「42,060人の子どものうち、6~10歳の女子の54.1%、11~15歳の女子の55.3%に「のう胞」が、男女合わせた全体でも43%に「のう胞」が見つかった」というものだが、その数の多さが恐ろしいが、しかしその被曝をさせたヨウ素131はとっくに放射線を出して安定化している。その後の「のう胞」がガン化するかどうかは、その後の条件によるわけだ。

 ところがセシウムは子どもの甲状腺に最も多く蓄積する。そこからガンマ線だけでなく、ベータ線も被曝させるのだ。距離が近い分だけ被害を及ぼすエレクトロボルトも高い。

 ガンになるには発がんというイニシエーターだけでなく、ガンを促進させるプロモーターも必要だ。それをセシウムが担うとしたら。セシウムを体内に摂取することはとても危険な事態を招く。


■ 被害発生のメカニズム

 なぜ心電図に影響が出るのかは簡単だ。セシウムは筋肉に集中する。心臓は筋肉の固まりだからだ。ところが心臓の筋肉は、ほとんど一生モノで、ほんのわずかしか細胞が生まれ変わらない。そこに入ったセシウムが、放射線で細胞を殺した分だけ心臓は正常に動けなくなり、ある線を越えると心筋梗塞を生むのだ。

 他にわずかな量で影響を及ぼすのは尿だ。尿の中のセシウムが5ベクレルを超えただけで、「チェルノブイリ膀胱炎」と呼ばれるほど膀胱炎を頻発させ、一部は腎臓病や腎臓ガン、膀胱ガンを招く。なぜこんなわずかな量で起こすかと言えば、尿は雑菌を一切含んでいないために、人体は栄養分をリサイクルする。


 セシウムは99%回収されてしまうために、出て行くまでに100回もその場を循環することになるためだ。

 バンダジェフスキー氏は断言する。
「シーベルトなどという勝手な人の判断が入る基準を使っていてはいけない。ベクレルで判断すべきだ」と。

 御用学者は批判する前に、自分で亡くなった患者の臓器の汚染レベルを計ってみたらどうか。それほどバンジェフスキー氏を否定したいなら。

 さて、体内の汚染レベルが問題だとして、どの程度までの汚染を許容値とすべきだろうか。これまで見てきた中では「5ベクレル/体重1kgあたり」というのが最小だろう。

 これを基準にしてみると、食べ物の許容されるレベルは1ベクレル/kg以下という水準になる。日本政府の持つ一般食品100ベクレル/kgの百分の一だ。

 この厳しい基準でも実際に可能だという話は、有料・活動支援版メルマガ12号「放射能の健康被害、何が本当に危険なのか」に書いたので繰り返さない。
とにかく食材の産地を確認すること、汚染レベルを確認することをお勧めしたい。


■ 何を食べたらいいのか

 では何を食べたらいいのか、と聞きたくなる。その逆がいい。何を食べてはいけないか、だ。放射能を多く含むものだけ覚えるほうが簡単だからだ。

 まずは魚だ。淡水魚が溜め込む。特に高いのが放射能を集めやすいコケだけを食べているアユだ。次が近海魚。特に「ヒカリモノ」と呼ばれる魚は危険だ。遠洋モノはそれより少ない。魚にだけはもうひとつの危険性がある。体に入ると骨に吸収されて30年経っても半分しか出てこないストロンチウムが、海水ではセシウムの3割から半分近く含まれるのだ。

 しかし汚染されているのは福島沖と茨城沖だ。あとは海水の回り込みによって北海道苫小牧沖と宮城県金華山沖あたりにも多少汚染があるが、それ以外は海流の関係から救われた。産地か汚染度を把握してほしい。

 それとめちゃくちゃに汚染を集めるのがシイタケなどのキノコ類だ。自生しているものはかなり高い。それとタケノコ、山菜類も高い。そのせいで野生動物は食べられないほど高くなってしまった。

 果実類も高い。クリ、ウメ、モモ、リンゴ、柑橘系も軒並み高い。
 穀物では必ずモミと胚芽部分が高くなる。だから白米にすれば7割は減らせる。

 小麦は今年に入ってからうどんなどに確認され始めた。特に要注意なのがパンだ。パンは小麦からの汚染だけでなく、牛乳に含まれていた汚染があるのだ。


 バターやチーズにすると汚染が減るので牛乳はそれらに加工された。ところが汚
染はホエーと呼ばれる乳性部分に集められた。それらは捨てられるのではなく、パンや菓子に使われたのだ。その結果、パンに汚染が確認されることがある。

 野菜は総じて汚染が低い。汚染が見つかるのは土の中から取れるサツマイモなどのイモ類、そして泥から取れるレンコンなどだ。特に集めることが確認できているのはカラシナ程度だが、その理由は日本の土壌の性質にある。セシウムは一度粘土に取り込まれると、植物の根から出される酸程度では吸収できなくなる。
日本はたまたまチェルノブイリと違って粘土層が多かったことが幸いしているのだ。


■ 食べたとしても解決できる

 でもすでに食べてしまったという人もいるだろう。それでも対策がある。体内に入り込んだセシウムを体外に排出させる能力の高いものを摂ることだ。

 なにより高いのが「食物繊維」だ。それは植物の繊維ではない。オクラや納豆、ワカメなどのヌルヌルだ。それを摂ると体外に排出させる効果がある。その効果を高めたものがペクチンだ。リンゴや海藻などの食物繊維の一部を集めたものだ。


 作ることもできる。リンゴなどを細かく切り、クエン酸を5g加えた2リットルの
水でことこと煮る。煮汁を濾して残った汁がペクチンだ。これは核戦争を心配していた1970年代から、軍事で開発されたものなのだ。

 また、体内で放射能が被害を与えるのは、遺伝子を切断してしまうことともうひとつ、細胞の電子を蹴飛ばして失わせることだ。電子を失った原子は他の電子を奪ったりすることで周囲の遺伝子をめちゃくちゃにする。


 これを「フリーラジカル反応」というが、この反応は酸化反応だ。つまり抗酸
化物質が効く。この抗酸化物質は、圧倒的に野菜に含まれているのだ。だから野菜をなるべく食べるのがいい。

 もうひとつ、ラットの動物実験の結果で放射能の被害を緩和したものがある。
それが乳酸菌、麦芽の発酵させたもの、熟成度の高い味噌だった。

 乳酸菌と聞くとヨーグルトを思い浮かべるかもしれないが、日本人は普段から摂っている。漬物はぬか漬けでも野沢菜でもキムチでも乳酸菌発酵なのだ。

 麦芽の発酵させたものはビールだった。ビール酵母から作ったエビオスも同様の効果があった。さらに味噌となると、どれも発酵食品ばかりだ。日本の伝統的な食品を摂るのが効果があるだろう。

 ただし医師の一部は否定している。「それはラットであって、人間ではない」と。しかし人体実験はできないのだから、それらの医師たちに任せていたら埒が明かない。だから自分はラットに体質が似ているという人だけ信じればいいと思う。


■ 汚染値に暮らす鉄則

 どうだろうか。対策の方法が見つかったのではないだろうか。ここで再度上に述べたことから鉄則を考えてみよう。

 まず外部被曝は、確率と発生の早い段階への被害が大きな問題だから、妊娠している人、妊娠の可能性のある人、可能なら今後妊娠する予定のある若い人と幼児はそこに住まないことが望ましい。そして住むのなら、生殖器官が危険だから絶対に外で腰掛けてはいけない。距離が近くなれば当たる確率は10倍近く高くなる。

 内部被曝は何より食事だ。水のほうがもっと摂取量が大きいので危険だが、水道原水がきれいでない地域では水の中のホコリを落とすために凝集材を使っている。するとセシウムはホコリとともに沈殿するから汚染されなくなる。むしろ逆にきれいな原水で凝集材を使っていないところの水のほうが危険になる。井戸水はセシウムが地下浸透しないことからまず汚染されないから大丈夫だ。食べ物は産地か汚染値を確認して食べてほしい。

 危険なのは外食だ。外食産業の中で、原料を安く買い叩くところは汚染された食材を選択しやすい。そうした場合、キノコ類を残し、ヒカリモノの魚は避けるのが無難だ。そして最後の煮汁は飲まないことだ。セシウムは半分程度が煮汁に溶け出すので、煮汁を飲むと摂取することになる。酢漬けも同じだ。ピクルスはセシウム量がとても減っているが、その分酢のほうに流れ出ているから飲んではいけない。

 福島県南相馬市の子どもを調査したデータでも、半数以上の子どもの体内セシウム量はゼロだった。汚染されている子どもも平均で7ベクレル/体重kgあたり程度ですんでいた。もうちょっと気を配ればチェルノブイリのような被害を生まずにすむかもしれない。だから知っておいてほしいのだ。

 テレビも御用学者の「大丈夫」ばかりのいい加減な報道ではなく、きちんと汚染食品を避けられる方法を伝えてくれればいいのに。

--*--バックナンバーここまで こちらの書籍もご参考に! -*--*--


文章の冒頭で「筑摩書房から頼まれた本」が、2013.7月に発行されています。

今回のメルマガの内容がさらに詳しく書かれていますので、まだの方はぜひご覧ください。


田中優著
『放射能下の日本で暮らすには?

~食の安全対策から、がれき処理問題まで~』

(筑摩書房 2013.7発行)   
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480878663/ 





3.11後、空気も水も食べ物ももはや安全ではない。
私たちは、何を食べ、どう暮らせばいいのか?
今、できることは何か?
後悔しないために。

原発の危険性を長く訴えてきた著者渾身の書!
原発事故後を生きるための必読書!


<目次>

第1章 放射能汚染の中の暮らし
第2章 外部被曝と原発事故の被害
第3章 内部被曝とダメージ
第4章 チェルノブイリの現実から考える
第5章 私たちは何を食べたらいいのか
第6章 これから日本でどう暮らすか
第7章 原発周辺のミステリー
第8章 がれきをどう処理すべきか


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2016年10月29日

『 忍び寄る「戦争経済」の影 』

2014.9 発行 未来バンク事業組合ニュースレター より



『 忍び寄る「戦争経済」の影 』


■暗くじめじめした夏

 今年の夏は雨ばかりだった。行くはずだった沢登りも増水に阻まれ、三日間ロッジに閉じ込められた。叩きつける雨音に雷鳴が轟く。じめじめして素足で歩くフローリングがべたつく。水量の増した川は濁流になり、流れの真ん中にぎざぎざの三角波が立つ。

 インターネットからはパレスチナではイスラエル軍の一方的な虐殺の情報が届き、知っていても何もできない日々が過ぎる。暗く、憂鬱な夏だ。

 「それでも・・・」と、できることを考えようと鈍重な体を起こそうとする。
重い雲が垂れ込めるみたいに億劫になる。テレビが無いおかげであの顔を見なくてすむのがせめてもの救いだが。


■戦争に向かう日本経済

 今年6月戦後初めて日本の防衛企業14社が、フランスで行われた国際兵器見本市「ユーロサトリ」に参加した。そこで武田防衛副大臣が、「持っている軍事力を発揮できる環境を安倍首相が作ったのだから、それを生かして成長していっていただきたい」と述べた。
「兵器見本市」は戦争にしか使えない道具なのに。





 安倍政権は今年3月、アメリカの進めるF-35次世代戦闘機開発に資金を出すことにして、三菱重工の参加を武器輸出三原則の例外として認めた。4月には武器禁輸政策を「防衛装備移転三原則」に変えた。その最初の適用は「PAC2(迎撃ミサイル「パトリオット」)」だった。そのパテントはアメリカにあるため、三原則にある「目的外使用や第三国への再輸出の事前同意」の例外となっている。

 アメリカの判断だけでどこにでも輸出できるのだ。アメリカの最大援助供与国がイスラエルで、その多くが軍事援助だ。日本で製造された武器が世界で人を殺す日は近い。

 そのイスラエルは新たな武器の実験場としてパレスチナを使っている。今回、2000人近い人が殺され、1万人近い人々が負傷させられたが、それでも西欧諸国は押し黙ったままだ。一方のイスラエルでは花火見物のようにして対岸のパレスチナ爆撃を多くの人たち見物していた。


 今回も「DIME弾」という人間を粉々にしてしまう兵器を使い、真夜中の上空を「ドローン」と呼ばれる無人爆撃機が飛び、安寧の深夜を悪夢の恐怖に変えた。
そのイスラエルは今回、新たに動くものすべてを機銃掃射する無人小銃を設置した。自分たちは攻撃される心配のない基地にいて、そこから人を殺す。未来はきっと無人武器があちこちに据えられていて、人間だけはすべて殺される風景になるだろう。

 その精度を高めるのに日本の「通信技術」が使われる。


■戦争待望論

 世界の100大軍需企業の中に日本企業が6社ある。従来の世界100大軍需企業「三菱重工・三菱電機・川崎重工・東芝・IHI・NEC」から東芝がランク外に落ちて、「DSN社」がランクインした。その会社は「スカパーJSAT」「NEC」「NTTコミュニケーションズ」の3社の共同出資会社で、衛星通信を得意とする。

 


それらの軍需企業は、自民党に多額の政治献金をし、見返りのように安倍首相の
外遊に同行して各国と合意を取りつけた。従来の「エンジン、ミサイル、爆撃機、軍艦」のような、「重工」に加えて、DSN社のような「通信・衛星技術」が注目されている。「軍需が民需を促進する」時代が終わり、「民需の応用が軍需に」なりつつある。日本の機械技術の精度の高さが、軍事技術を塗り替えつつある。

 世界の兵器が「Made in JAPAN」になる日も近いだろう。その日本の軍需企業はアメリカが軍事費を削減している背景の中で、ロシア企業に次いで受注額を増額させている。あまりの開発費の高さにアメリカですら持て余している「F-35戦闘機」の開発費用を日本が分担し、三菱重工が共同開発に参加する。F-35戦闘機はすでにイスラエルが購入を予定している。F-35に搭載するミサイルについても、日本企業がイギリスと共同開発を進めている。それがイスラエルに配備される。

 「朝鮮特需」という言葉がある。戦後の復興期、焼け野原となった日本の復興のきっかけになったのが、1950年の朝鮮戦争だった。それによってアメリカ軍が3年間で10億ドル、1955年までの間接特需として36億ドル受注した。当時1ドルは360円で、大卒初任給が8000円だった時代だ。戦後の経済復興は、血塗られた朝鮮半島によって作り出されていた。そして今なお、愚かな経済界、保守系議員からは「戦争待望論」が出される。


■「戦争経済」を回避する

 安倍政権が期待しているのは戦争経済ではないか。「失業が増えるなら戦争で雇用を増やそう」「景気が停滞するなら軍事需要で回復を」と、しようとしているのではないか。

 これまで日本の軍需企業は兵器を生産していても、当該企業の売り上げの10%を超えることはなかった。アメリカの軍需企業では「売り上げの8割」が兵器だ。
アメリカでは平時ですら全被雇用者の5%が軍需産業に雇われていて、戦時ともなれば30%を超す。戦争はアメリカの「公共事業」なのだ。だからアメリカの対外政策には戦争が絶えない。アメリカが関わった国はその後長らく血生臭い国となり、アメリカが広げるつもりでいる「民主主義」ではなく、「不安定な殺し合いと国家崩壊」が広がっているのだ。

 日本の戦前を見てみると、海外への侵略は経済界が必要とする資源獲得のためだった。資源獲得のためだったのが、やがて軍事物資そのものの獲得のためになり、戦争そのものが経済の中心命題になっていく。


 ぼくは、この「戦争経済」になろうとする今を懸念している。やがて大企業の大きな収益源が軍事となり、「戦争なしに経済復興はできない」と言われる時代になるだろう。戦争に反対すれば「今雇用されている人たちをどうするのか、路頭に迷わせるつもりか」と言われ、「冷酷な非国民」とされる日が来るだろう。

 公共事業が戦争になるとき、取り返しのつかない社会になってしまっているだろう。今なら取り返すことができる。自衛隊の活動範囲が「自衛」に限定され、兵器が軍需産業の売上げの10%以下の今なら。


■戦争を支えず、別な未来をつくるための貯蓄を

 イスラエルが今回、停戦を受け容れた背景には人々の不買運動があった。イスラエル企業がパレスチナ入植地で生産している「ソーダ・ストリーム(炭酸水の製造機)」が、渋谷で予定していたショップのオープンを取りやめた。別な情報ではイスラエル企業は3割以上の売り上げ減少に見舞われ、このままでは成り立たないところまで追いつめられたという。


 以前から噂のあった「スターバックス・コーヒー」は、わざわざ「イスラエルを支援したことはない」と公表した。信じられるかどうかはわからないが、戦争支援が事業の大きな支障になる事態になったことだけは事実だ。


 このボイコットを継続しよう。二度とパレスチナへの虐殺ができないように。
そして私たち自身も自国の軍需企業を監視しよう。万が一にも自分の貯蓄が彼らを支えないように気を配ろう。そして何より、地域で自立した経済を作れるようにしよう。技術の進展のおかげで、エネルギーばかりでなく水も車も自給できる時代になった。

 自分たちの貯蓄が人々を殺すために使われるぐらいなら、地域で暮らせるために投資するほうがずっといい。


 そんなことが可能になった時点で、それでも大企業に頼って「戦争経済」を待ちわびるようなぶらさがった存在でいいだろうか。未来バンクは別な未来を作るために新たな方策を模索するだろう。

 私たちの貯蓄は、未来を作ることも台無しにしてしまうこともできるのだ。




「日本女子大学を本気で変えようとした話。」のブログが面白い

田中優より

この人のブログ面白かった。
制度を変えるというのは特別な人でない普通の人がするのがいい。

  ◇   ◇   ◇   ◇  

「日本女子大学を本気で変えようとした話。」

http://www.manazooooo.com/entry/2016/10/09/171855 より


周りの女の子がやったことないようなことがしてみたい。
時間をたっぷり使える学生の今しかできないことがしたい。
発展途上国、貧困国で暮らす子どもたちの現実に触れたい。
バックパッカーの彼が見た景色を私も見てみたい。
自分を変えたい。
純粋に、旅→冒険→めっちゃわくわくする!

そうして決意した「世界一周」。


世界一周のために、バイトして貯めた費用は160万円。

そのうち1/3以上を、日本女子大学のせいで手放すことになるとは思ってもみませんでした。


「休学費」って知ってる?

そうなんです。

休学するにはお金がかかるのです。


私の通っていた日本女子大学では、
1年間休学するのに、施設設備費及び学生図書費の全額+学費の半額
=約66万円の納付を求められました。


はいストップ。

66万円?(笑)←理解不能すぎてこみ上げる笑い

大学を休むだけで、なぜそんな高額な費用を請求されるのか理解できませんでした。

彼に「休学費高いよね」って愚痴ったら、

「え?俺んとこ15万円だよ」って。


えええぇぇぇぇぇぇ

不公平だ。不平等だ。

私のボンビーガール魂に火がついた。(笑)


そうして、当時大学3年生だった私は
この腐りきったポンジョの制度を変えるべく立ち上がったのです!!!



2016年10月26日

11月4日(金)東京・目黒にて エネルギートークセッション 田中優×鎌仲ひとみ

【定員30名・・半分お席が埋まりました!お申し込みはお早めに☆】



 
22世紀に残すものvol.4 
エネルギートークセッション 田中優×鎌仲ひとみ


https://www.facebook.com/events/1708784759443807/
 
田中優(環境活動家)&鎌仲ひとみ(映画監督)
をゲストにお迎えしたトークセッション。
 
原発・環境・平和・・・様々な問題に向き合い明るく活動してきたアクティブなお二人の対談そして会場の皆さんとの対話会です。
 
私たち一人一人に何ができるのか?
日々の選択一つ一つが未来を確実に変えていきます。 
どんな立場の人にでも、明るい未来の作り方がそれぞれにあります。 
この機会に一緒に考えてみませんか?
 
日時 : 11月4日(金) 19時~21時
     21時~講師を囲んでの交流会(軽食付き)
 
開場 : 18:50(会場周辺への配慮にご協力ください)
 
定員 : 30名(定員になり次第締め切らせていただきます)
 
場所 : 目黒駅より徒歩5~7分
     (お申込みの方に別途ご連絡いたします)
 
会費 : 3,000円(軽食付き)
     ※当日会場でお支払いください。
 
お申込み : 
参加希望日、お名前、連絡先(メール、FBアドレス、携帯番号)をメールでお知らせください。   ⇒   contact@chiekotonakamatachi.org

※FBページへの参加ボタンだけでは申し込みとはなりません。

主催 渡邊智恵子と仲間たち

2016年10月24日

『年収300万円台からのマイホーム』

□◆ 田中 優 より ◇■

ぼくの天然住宅「住まいと森のコラム」の41回目。
天然住宅バンクで実現した新たな融資の仕組みです。

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第41回 
『 年収300万円台からのマイホーム 』


■非営利の銀行「天然住宅バンク」

 天然住宅は、非営利の「NPOバンク」と呼ばれる「天然住宅バンク」を持っている。住宅を建てる融資に特化して、2%の単利固定の融資を行うことで、建てたい人をサポートしようと考えて設立したものだ。

 これが結構役立っている。銀行のローンでは通常、住宅の引き渡しまで融資がされない。ところが家を建てるときは、最初に三分の一、途中に三分の一、引き渡し時に三分の一ずつ分けて払うのが通常だ。ところが引き渡し時まで一銭も貸してもらえず、「つなぎ融資」がない場合には、金利が安くて狙い目の「フラット35」のような融資を受けることができなくなってしまう。

 そういうとき、天然住宅バンクが役立っている。住宅ローンの審査自体は「フラット35」の審査を通っているのだから問題はない。ところが引き渡し時までの短期融資分がネックになってしまう。そんなところにも天然住宅バンクが融資している。

 ちなみに住宅を建てた我が家の場合は、残念ながら融資を受けられない。天然住宅バンクを理事長の自分が利用したのでは、情実融資の可能性が出てしまうためだ。設立した自分が使えないのは何とも残念だが、これもフェアな運営のためなら仕方ない。


■ヴィンテージ住宅担保融資

 以前に話したこと※だが、その天然住宅バンクで住宅を担保にする融資を始めることにした。普通なら15年経った家の資産価値はゼロになってしまうが、天然住宅なら300年もつ住宅を目標に建てているのでビクともしない。化学物質ゼロで長寿命の住宅だから、買いたいと思う人もたくさんいる。 それなら、他の住宅の担保価値がゼロになる15年後に、天然住宅が300万円以上の価格で買いたいと思う人を探せばいい。そうすれば15年後に 300万円での買取ができるではないか。

 そう考えて作った制度が「15年後の住宅担保融資」なのだ。今の時点で300万円を融資し、15年後にローンを開始するか、家を天然住宅側に売り渡すか、他に売却して300万円を返済するかの選択をすることができる。生活は住宅を建てた時点が一番厳しくなる。それならその時点に融資し、後からゆっくり考えた方がいい。他のボロボロになってしまう住宅と比較すると、実質的に300万円の値引きと同じ効果があるのだ。




■年収300万円台からのマイホーム

 この融資を受けたい人が現れたので、先日面談した。素晴らしい人で、こちらから頼んででも融資したくなるような人柄だった。ただし住宅を担保するとなると、普通は抵当権を住宅に設定しなければならない。それをしなくてすむような仕組みを考えて融資することにした。内容は返済期の15年後 までに100万円程度の返済をしてもらうことで、通常の連帯保証人の担保だけにしたのだ。なぜなら残額200万円なら、担保のいらない範囲だからだ。

 これによって、年収が300万円台の人が天然住宅を建てられることになった。
もちろんやや地方で、高くない場所を選んだおかげでもあるが。金融を市民の手に取り戻せば、こんなことも可能になる。
 
 金融の仕組みをもっと広げていくことで、様々な不都合を解決していきたいのだ。


※天然住宅コラム 第18回 「家を担保にした超・長期ローンを」をご参照ください
http://tennen.org/yu_column/jyutakutanpo.html


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☆--★ 2016.10.24現在、コラムは第53回まで更新中!☆---★  

田中優の「住まいと森のコラム」 

■目次一覧 http://tennen.org/yu_column 


第1回 住むんだったら健康な家がいい
第2回 そのどこがエコなの?
第3回 天然住宅は高い?
第4回 蚊を殺すのにバツーカ砲
第5回 いい湯だな、バハン
第6回 次の世代に引き継げる林業に
第7回 本物「小林建工」さんとの出会い
第8回 日本ミツバチ
第9回 カビを寄せつけない技術
第10回 温泉三昧、雨ときどき間伐
第11回 小屋礼賛
第12回 皮むき間伐の弱点
第13回 低周波騒音問題
第14回 上下階騒音問題
第15回 住宅リテラシーを
第16回 湿気で溶けていく家
第17回 住宅貧乏
第18回 家を担保にした超・長期ローンを
第19回 「私、研究所の者です」
第20回 鉄筋にアースを
第21回 太陽パネルの電気自給は「冬場」が大事
第22回 男なら天然住宅!
第23回 男なら天然住宅!~男ならスペックにこだわれ~
第24回 男なら天然住宅~男なら「マイホーム主義」~
≪番外編≫寺田本家さんに共感する
第25回 暮らしに家を合わせる
第26回 次の世代の住まいとは
第27回 「未完」の家
第28回 カナダからの見学者
第29回 気候の事情、個人の事情
第30回 健康を害さない防音ルーム
第31回 電力自由化でどこを選べばいいの?
第32回 エアコンは「熱を電気でつくる」もの?
第33回 電力自由化を契機に節電を
第34回 24時間換気の不要な家
第35回 「カネを出せば買える家」じゃない
第36回 「普通の」家
第37回 自宅の完成見学会
第38回 森を守って、健康長持ち
第39回 ネオニコ住宅の恐怖
第40回 ベランダって必要なの?
第41回 年収300万円台からのマイホーム
第42回 抵当権を登記しない融資を
第43回 木造の「継ぎ手」が同じという不思議
第44回 伝統大工は頑固なままで
第45回 木材に要注意
第46回 楽しいハイブリッド林業
第47回 自立的なウマ、琴姫
第48回 この世にムダなものはない
第49回 天然住宅にすむのに必要なもの
第50回 ホタル族、ホタルに会う
第51回 ホームバイオガス
第52回 いびきが消えた
第53回 高知県興津海岸は、こうして残された


★☆★ 天然住宅 ホームページはこちら★☆★
 http://tennen.org/ 

・施工例 http://tennen.org/gallery
・お客様の声 http://tennen.org/voice
・こだわり ~高断熱適気密・お家で森林浴・工法~ http://tennen.org/kodawari
・プラン集 http://tennen.org/plan
・見学会のお知らせ http://tennen.org/event
・住宅コーディネートって何? http://tennen.org/coordinate
・資料請求 http://tennen.org/request


他にもたくさんのこだわりがあります。
ぜひHPでチェックしてみて下さい。

2016年10月22日

悲しすぎるニュース・・「バイバイ」笑顔の幼子、母は橋から落とした

田中優より

この記事読むと悲しくて何も手につかなくなる。
三歳の子は自分から「バイバイ」と言い、母は手を放して川に子どもを落とした。

子どもって大人の言うことではなく、本音に反応する。
だからお母さんが自分のせいで苦しんでいると思ったんだな。悲しい話。

政府は知らん顔するなよ、貧富の格差、女性とパートに対する差別、
保育施設やケアする人の不足、
それらを放置して金持ちと大企業優先の政策ばかり取っているからなんだぞ。」


  ◇   ◇   ◇   ◇  

▼「「バイバイ」笑顔の幼子、母は橋から落とした」
(朝日新聞2016.10.17)

http://www.asahi.com/articles/ASJBJ7D61JBJUUPI00G.html より


「この子をこのまま置いておくわけにはいかない」

不機嫌になっていく交際相手の男性の様子を見て、24歳(当時)の女性はそんな気持ちになっていった。

3歳の一人娘は、別れた元夫との子ども。同居を始めた男性は、徐々に娘の存在をうるさがるようになっていた。この朝も不機嫌になってトイレに閉じこもると、ドアを殴って壊した。

夕方、保育所に娘を迎えに行った後、まっすぐ帰宅せず、近所の実家に寄った。
母に預かってもらいたかったが、娘が風邪気味でできなかった。

午後8時前、自宅アパートに戻った。食器を片付けようと台所に行くと、娘が泣き始めた。眉間(みけん)にしわを寄せ、大きなため息をつく男性を見て、娘とアパートを出た。子どもを預けられそうな施設をネットで探したが、見つからない。「この子がいなくなるしかない」。そう思い詰めた。

午後10時過ぎ。近くの川に架かる橋のそばに車をとめ、娘を両腕に抱いて橋の欄干に立たせた。

車が通るたび、娘を欄干から降ろす。3度目、娘を抱く手を伸ばし、宙に浮く状態にしてみた。川面からの高さは4メートル以上。娘はにこっと笑い、突然こう言ったという。




2016年10月19日

『自宅の完成見学会』

天然住宅 田中優「住まいと森のコラム」 第37回 
http://tennen.org/yu_column/kansekengaku.html 


『自宅の完成見学会』


■急いては事を仕損じる

 我が家は建つまでにほぼ一年かかった。肝心の大工さんが忙しかったり、木材の刻みが順番待ちで時間がかかったりしたせいだ。おかげで3月に古民家を取り壊して、夏場には完成するだろうから夏の衣類を物置にしまったままにしていたが、夏の衣装どころか翌年の冬の衣装まで必要になってしまった。

 しかしぼくは意外におおらかな性格なので、『まぁ、仕方ないかな』と思っていた。おかげで完成見学会をしたとき、逆に本当に家に住めるのが信じられない気持ちになっていた。『えっ? 住んでいいの?』という感じだった。

 それほどではなくとも、家は急いで作ってもらわない方がいいように思っている。
文字通り「急いては事を仕損じる」と思うからだ。


■完成見学会

 完成見学会を広報すると、さっそくたくさんの人たちから見に行きたいという連絡が相次いだ。『田舎のちっぽけな家なのに、よく見に来てくれるもんだなぁ』というのが正直な感想だ。しかしどんどん参加者数が増えていく。さすがに不安になって建ててくれた『ウエイクホーム』の延藤さんに相談してみた。

 「困りはしないだろうから制限しなくていいんじゃないですか?」という意見で受け入れていった。するとこんな田舎の小さな家の見学会に、100人ほどの人たちが集まることになってしまった。家だけでは入りきらない。近くの集会所を聞いたら『前例がないから』と言われてしまった。なんだか人数が多いので警戒された感じだ。『別に一揆を起こす相談じゃないのにな』と思いながら、市の公共施設の会場を借りた。




 ぼくがまずレクチャーし、その後に家まで10分ほど歩いて見学に行ってもらう。レクチャーに質問のある人に残ってもらい、質問のない人には先に家に行ってもらうことにした。現場には延藤さんに先に行き、二手に分けて対応する。午前の部で50人、午後で50人、そして先発隊が25人で後発隊が25人、これで全体がうまく流れる仕組みにした。


■岡山で天然住宅建築を

 どんな実験をしたかスライドで見てもらい、実際に小さな家を見てもらって質問してもらう。意外なことに、来てくれた人たちの満足度は高いものになった。見学会には遠く、千葉や鹿児島からの人たちも来てくれていた。




 お越しいただき、本当にありがたいと思う。うちお二人は、この岡山で天然住宅を建てたいという希望があった。太陽光発電とバッテリーで電気を自給する『自エネ組』の主催者の大塚尚幹さんは、避難するまで福島で一級建築士として事務所を開いていた。その大塚さんが建て方を引き受けてくれた。これで岡山周辺でも天然住宅を建てられる。

 しかし問題もあった。木材の低温乾燥ができる 製材所がないのだ。そこで大塚さんと一緒に、はるばる石川県まで低温の木材乾燥炉に見学に行くことになった。


(次号へつづく)



☆--★ 2016.10.19現在、コラムは第53回まで更新中!☆---★  

田中優の「住まいと森のコラム」 

「森を守って健康で長持ちする」住宅や、森の再生へのヒントなどがたくさん入っています。


■目次一覧 http://tennen.org/yu_column 


第1回 住むんだったら健康な家がいい
第2回 そのどこがエコなの?
第3回 天然住宅は高い?
第4回 蚊を殺すのにバツーカ砲
第5回 いい湯だな、バハン
第6回 次の世代に引き継げる林業に
第7回 本物「小林建工」さんとの出会い
第8回 日本ミツバチ
第9回 カビを寄せつけない技術
第10回 温泉三昧、雨ときどき間伐
第11回 小屋礼賛
第12回 皮むき間伐の弱点
第13回 低周波騒音問題
第14回 上下階騒音問題
第15回 住宅リテラシーを
第16回 湿気で溶けていく家
第17回 住宅貧乏
第18回 家を担保にした超・長期ローンを
第19回 「私、研究所の者です」
第20回 鉄筋にアースを
第21回 太陽パネルの電気自給は「冬場」が大事
第22回 男なら天然住宅!
第23回 男なら天然住宅!~男ならスペックにこだわれ~
第24回 男なら天然住宅~男なら「マイホーム主義」~
≪番外編≫寺田本家さんに共感する
第25回 暮らしに家を合わせる
第26回 次の世代の住まいとは
第27回 「未完」の家
第28回 カナダからの見学者
第29回 気候の事情、個人の事情
第30回 健康を害さない防音ルーム
第31回 電力自由化でどこを選べばいいの?
第32回 エアコンは「熱を電気でつくる」もの?
第33回 電力自由化を契機に節電を
第34回 24時間換気の不要な家
第35回 「カネを出せば買える家」じゃない
第36回 「普通の」家
第37回 自宅の完成見学会
第38回 森を守って、健康長持ち
第39回 ネオニコ住宅の恐怖
第40回 ベランダって必要なの?
第41回 年収300万円台からのマイホーム
第42回 抵当権を登記しない融資を
第43回 木造の「継ぎ手」が同じという不思議
第44回 伝統大工は頑固なままで
第45回 木材に要注意
第46回 楽しいハイブリッド林業
第47回 自立的なウマ、琴姫
第48回 この世にムダなものはない
第49回 天然住宅にすむのに必要なもの
第50回 ホタル族、ホタルに会う
第51回 ホームバイオガス
第52回 いびきが消えた
第53回 高知県興津海岸は、こうして残された


★☆★ 天然住宅 ホームページはこちら★☆★
 http://tennen.org/ 

・施工例 http://tennen.org/gallery
・お客様の声 http://tennen.org/voice
・こだわり ~高断熱適気密・お家で森林浴・工法~ http://tennen.org/kodawari
・プラン集 http://tennen.org/plan
・見学会のお知らせ http://tennen.org/event
・住宅コーディネートって何? http://tennen.org/coordinate
・資料請求 http://tennen.org/request

他にもたくさんのこだわりがあります。
ぜひHPでチェックしてみて下さい。

わずか2週間の東京オリンピックの為に、樹齢100年の街路樹300本が伐採へ

田中優より

これ、イチョウなんですね。
水分が多くて火災を防ぎ、板にすればまな板には最高の素材となる。
伐るのは必要な時に、必要なもののために使ってほしい。せっかくの命だから。

たった二週間のオリンピックの道路の邪魔になるなんて理屈じゃダメでしょ。

ちなみに
東京都のシンボルマークってイチョウなんです。↓


みずからイチョウを撲滅する東京都なんですね。


  ◇   ◇   ◇   ◇  


「【悲報】わずか2週間の東京オリンピックの為に、樹齢100年の街路樹300本が伐採へ 
平和の祭典なのに自然を破壊するのかよ!!」

 http://jin115.com/archives/52149654.html より


白山通り、明大通り、神田警察通りで合計300本の街路樹が伐採対象になっています。
目的は、自転車道整備や電線の地中化です。
いづれもオリンピックを見据えた開発計画です。

たった2週間のオリンピックのために、何十年もそこに根付き街の空気を浄化してきた街路樹を伐らねばならないのでしょうか?


2016年10月18日

米国市場のNon-GMO食品はすでに33%を占める

田中優より
 
記事より
「米国でのNon-GMO食品の成長は劇的だ。2010年に3.5%だった米国市場のNon-GMO食品は今年にはすでに33%を占めるに至っているという。そして、ここ数年、毎年12%は成長し続けるだろうと予測されている。」
 
日本はホントに情報鎖国

メディアはスキャンダルとお笑いばかり流していて、なぁにが木鐸だよと思わせてくれる。
こういう情報はありがたい。 





☆今回もシェアさせて頂いていますが、いつも田中優がその発信する情報に注目している印鑰さんと、料理研究家の枝元さんとのスペシャルイベントが今週開催されます!

「遺伝子組み換えルーレット」の上映もあります。


10月22日(土)すいーとまむ15周年記念企画 

映画『遺伝子組み換えルーレット』上映会&印鑰智哉さん、枝元なほみさん、田中優 お話会
http://tanakayu.blogspot.jp/2016/10/102215.html



11/11(金)~13(日) 田中優と行く!伐採ツアーin栗駒~安心できる家づくりとハイブリッド林業~


伐採ツアー@栗駒

今年の伐採ツアーは11月です!



≪11/11(金)~13(日)≫ 田中優と行く!伐採ツアーin栗駒 
~安心できる家づくりとハイブリッド林業~



田中優セミナーあり!
伐採、薪割り体験あり!
防腐剤などに漬けずにくんえん乾燥などをしている栗駒木材 製材所見学もあり!


1人でも、ご家族、お子さん連れも大歓迎です。
今年もどんな体験、出会いがあるか楽しみですね♪


http://tennen.org/event/tour.html


毎年冬の恒例行事となりました、栗駒伐採ツアーの募集を開始します! 
冬の東北の神秘的な森の中で、木こり体験をしてみませんか?

住宅に使用する木材は、古くから冬に伐採されてきました。 
冬は木が水や養分の吸収を止めているので、虫がつきにくく、
また乾燥してから割れや反りが生じにくくなります。
無垢材で建てる天然住宅の、初めの初めを体験していただけます。 

また、栗駒で今実践している「ハイブリッド林業」も見ていただけます。
ハイブリッドとは、人と動物のハイブリッドのこと。馬や牛とともに仕事をし、山を守っています。
最先端であり、伝統の踏襲でもある林業の方法をご覧いただきます。

エコラの森は鳴子温泉郷の「川渡温泉」のほど近くにあり、
山仕事の後は温泉でゆっくり温まれますよ。 

「NPO法人しんりん」が現地での受け入れをしてくれます。 
他にも、薪割りや、田中優と大場さんのお話し、栗駒木材の製材所見学など、
盛りだくさんの内容です。 


持続可能な森づくりに挑戦してみたい! 
再生可能エネルギーをもっと広めたい! 
住宅に使われる木材のことを知りたい! 
地域を元気にするために自分が出来ることを知りたい! 

という方、是非ご参加いただき、「希望」を持ち帰っていただければと思います。 


栗駒木材とは?
国産材のみを取扱い、お客様から働く人まで、全てにおいて安全を追及する製材所です。
アレルギーやシックハウスの原因になる化学物質を使わず、
木材を煙でいぶして乾燥させる「くんえん乾燥」を実践しています。
また製材した際に出てくる木くずから木質ペレット燃料の生産にも取り組んでいます。


エコラの森とは?
宮城県大崎市鳴子温泉に広がる260haの森です。
バブル崩壊後に森が乱伐され荒れ放題になっていたものを栗駒木材が買い取り、
地元のNPOらと協力して少しずつ整備を行っています。
ジャージー牛を放牧による下草刈り、誰でも気軽に楽しめる「皮むき間伐」、皆伐しない持続可能な自伐林業に取り組むなど100年先、200年先を見据えた未来の森づくりに挑戦しています。


プログラム(予定)
11月11日(金)
14:35  陸羽東線「川渡温泉」駅集合 
15:00  オリエンテーション
15:45  温泉
17:00  夕食の準備
18:00   夕食 
田中優セミナー・懇親会

12日(土)
7:00    朝食
9:00    薪割り
12:00  休憩・昼食
13:00  伐採体験
16:00  温泉
18:00  夕食・大交流会

13日(日)
7:00    朝食
8:00    出発
10:00  栗駒木材 製材所見学
11:30  昼食
12:30  解散(東北新幹線「くりこま高原」駅まで送迎します)


※プログラムは天候や諸事情により変更になる可能性があります。


行先  宮城県大崎市、栗原市
 

集合場所・時間  11月11日(金)14時35分/陸羽東線「川渡温泉」駅


宿泊場所  エコラの森宿泊所(宮城県大崎市)もしくは鳴子温泉郷「川渡温泉」付近の宿
※川渡温泉駅からエコラの保養所までは車で5分ほどです。保養所までは車で送迎します。
温泉宿に泊まられる場合は、別途宿泊費がかかります。
夕飯は参加者みんなでいただきます。


申込み方法
下記、本ページのお申し込みフォーマットよりお申し込みください。
http://tennen.org/event/tour.html


定員  20人 (最低催行人数12人)
随時受付中です。※定員に達し次第、受付を終了します。


参加費 大人:15,000円 学生(高校生以上):12,000円 小中学生:7,000円 未就学児:無料 

電車で来られる方は最寄り駅まで送迎いたします。 ※入湯代、酒代別途徴収
★プログラムの部分参加も可能です。
11/11夜の田中優セミナー&懇親会への参加は2,000円(お酒代別途+1,000円)で
ご参加いただけます。


■備考

1.参加者全員でつくるツアーにしたいと考えています。食事の準備や片付けなど是非、主体的なご協力をお願いします。
2.保養所での宿泊はごろ寝に近い形での宿泊となります。(男女別の相部屋)布団や寝袋の用意はあります。
3.宿でゆっくり寝たいという方は温泉宿を手配しますので申込み時にお申し出ください。
宿代は実費精算となります。(7,000~8,000円程度/大人1名1泊につき)食事は保養所で皆さんと一緒にとります。
4.地方から自家用車で参加される方は、申込時にお伝えください。
5.開催1週間前からキャンセル料金がかかります。(参加費の50%)ご了承ください。
6.乳幼児の参加も可能です。(参加費は無料ですが、温泉宿での宿泊をお勧めします)
7.イベントの模様をビデオ・カメラ撮影させていただきます。
ブログや広報紙などに掲載させていただく事もあります。もし問題がある場合、予めお伝えくださいませ。
8.基本、現地集合現地解散になりますが、人数や参加者様のご要望によっては東京からレンタカーを借りて行くことも検討しています。その場合、旅費として7~8千円程度申し受けます。希望の方は備考欄に、その旨ご記載ください。
9.リピーター割(1名につき2000円引き)、建て主さま割(ご家族で最大5000円引き)ございます♪

主催・企画 NPO法人しんりん / 天然住宅バンク

協力  
NPO法人日本の森バイオマスネットワーク / (株)サスティナライフ森の家 / (株)くりこまくんえん


お問い合わせ・お申込み
天然住宅バンク事務局(担当:田中・井上)
メール info@tennenbank.org 電話 03-5726-4226 
なるべくメールにてお問い合わせ下さい。


★昨年のツアーの様子はこちらより
http://tennen.org/blog/tanaka-blog/tour.html