2016年1月29日

『 フランスのテロ、ロシア機撃墜と石油利権 』

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第492号
2015.12.25発行
http://www.mag2.com/m/0000251633.html

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※このメルマガは転送転載、大歓迎です。


□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■


『 フランスのテロ、ロシア機撃墜と石油利権 』


■不可思議な二つの事件

 11月13日、フランスで起きたテロ事件には奇妙な点がある。偽造パスポートが現場
に落ちていたこと、フランス政府が即座にISによるテロと断定し、シリア領内のIS基
地を爆撃し始めたことだ。

 刑事事件なら証拠を固めて容疑者を捕まえて尋問し、有罪判決を下してから刑を執
行するのに、二日後にはシリアのIS支配地域を爆撃している。容疑者と思われる人た
ちはほぼ全員が射殺され、死人に口なし状態となっている。フランス政府はどんなに
乱暴なことををしてでも、スピード解決したいようだ。


 続いて11月25日にはトルコがロシア機を領空侵犯をした国籍不明の軍用機として撃
墜した。国籍不明ではない。誰だってロシアの軍用機だとわかるし、撃墜した場所も
シリアとトルコが半島状に入り組んだ場所で、シリア領空を侵犯したと言っても二回
合計で17秒間にすぎない。撃墜されたのもシリア領内1キロ、墜落した場所もシリア
領内4キロだ。


 それなのになぜ爆撃したのか。一連の流れだけ見ていると、何が起きたのかさっぱ
りわからないだろう。

 それを今回読み解いてみたい。もし近くに世界地図があるなら、地図を見ながら地
域を押さえた方がわかりやすいかもしれない。


■ISの強さの秘密は石油の密輸出



 ISというテロリストグループが、なぜこれほどの力を持つことができたのか。それ
はイラク北部とシリアの原油を奪い、密輸出しているおかげだ。豊富にある原油を密
輸することで膨大な資金を稼ぎ、その資金力で兵器や物資を調達し、これだけの影響
力を持った。原油の密輸出をこれほど大掛かりにできたのは、それに協力する国があ
ったおかげだ。ロシアが調査した結果、先進国を含む20カ国ほどが関わっていたと発
表している。その中で最大に貢献していたと思われるのがトルコだった。

 トルコはシリアと国境を接しながら、長らくシリアと敵対している。シリア反政府
軍のひとつであるISからの密輸出に関わっているとされるのが、トルコのBZN社、
現在のエルドアン・トルコ大統領の息子が所有している会社だ。


 同社がトルコの石油輸出基地である「ジェイハン」からタンカーでイスラエルに運
び出し、イスラエルが偽造書類をつけて他国に売りさばくという流れだ。密輸石油の
価格は通常レートより安いから、各国の石油会社は喜んで恩恵に預かることにした。
おそらくアメリカもそのメンバーか、もしくはイスラエル・トルコとの関係でIS側に
協力してきた仲間だろう。アメリカがISへの攻撃をしていた間、ちっともISの壊滅に
役立たなかったのに、ロシアがIS基地の爆撃を始めた途端に、ISはほぼ壊滅状態にな
ったのだ。

 どう考えてもアメリカはサボタージュしていたとしか思えない。こうしてISは、
各国の生命線である石油取引を通じて大国とつながりを持っていた。


 さらにトルコは、地理的に重要な位置を占めている。現在はアゼルバイジャンの所
有となっている元ロシアの巨大なバクー油田からの石油は、地中海東部沿岸にパイプ
ラインで運ばれてくる。その港こそが先ほどの「ジェイハン」なのだ。カスピ海沿岸
やロシアの石油をヨーロッパに出すとすれば、トルコを経由するしかない。地中海東
部沿岸は「エネルギー回廊」と呼ばれ、北からの石油、南からの天然ガスの輸出基地
なのだ。

 トルコは石油運搬のボトルネックに位置する国だからこそ、国力の割に大きな地位
を占めているのだと思う。そのトルコ大統領の息子のビジネスの邪魔をするのがロシ
アだったからこそ、ばかげた撃墜をしたのだろう。


■石油を持たないISは不要だ


 シリアの石油の確認埋蔵量自体は大きなものではない。しかし毎年の採掘量が少な
いために、可採年数はまだ122年分もある。加えて今年、シリア領の「ゴラン高原」
というイスラエルに占領されている地域に、巨大な油田が見つかった。埋蔵量は膨大
と見られており、すでにその採掘権はブッシュ政権時代のチェイニー・元アメリカ副
大統領の会社が手に入れているという。


 シリアは未確認の油田が見つかる可能性が大きい。この石油を手にするには、今の
アサド・シリア大統領の強権が邪魔になる。石油をめぐって紛争地となった国々は、
その後ほとんどの地域がイラクのように混乱した無政府状況になっている。その方が
混乱に乗じて資源を漁るには適しているからだ。アメリカやEUがシリアの反政府勢
力に軍事支援をし、アサド大統領を追い出そうと画策してきたのはこのためだろう、
その反政府勢力の最も大きなものがISなのだが、アメリカが支持してきた反政府勢力
は別なグループだと言い続けてきた。


 この政府と反政府勢力との争いで、シリアは安全に暮らせる場所ではなくなった。
おかげで人々は難民と化して流出しなければならなくなった。ところが反政府軍を支
援している隣国トルコは、難民を支援するどころか、次々とEUへと流出させた。
おかげでEU諸国は難民支援に手を焼いているのだ。

 もともとはEUも、アメリカやトルコとともにシリアのアサド政権に敵対してきた。
しかしロシアがIS潰しに参戦し、たちどころに主要な基地を叩き潰した。特に大きい
のが石油基地だ。そのほとんどを爆撃してしまったから、ISは資金源を失い、隠れて
支援してきた国にとっても利益にはならなくなった。ISは風前のともし火となり、
このまま隠れて支援し続けるには不都合な状況になった。ロシアが本気である以上、
シリアはアサド大統領の下、安定に向かうだろう。安定すればEUは難民問題から逃
れることができる。


 状況から見ると、このロシアが爆撃を始めたタイミングで勝ち組に乗らないとまず
い。そしてフランスに不自然なテロ事件が起こり、翌々日にはIS爆撃側に加わり、各
国も見習ったようにIS撲滅に参加した。IS、トルコ、イスラエルが見捨てられ、ロシ
アやシリア側についたということだ。その儀式としてテロ事件が誘発されたように見
える。


 石油をめぐる資源戦争が、この間のわかりにくい事件の真相にあるのだと思っている。


( 川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)




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2月7日(日)目黒区マルシェにて講演会

お近くの方、マルシェも優さん講演会もおいで下さい~♪


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『田中優の明日からできる持続可能な未来のつくり方』


2月の※「Slowマルシェ」セミナーは、持続できる地域社会、
地球環境の未来をつくるために、人々の意識に働きかけ続ける、
「田中優」さんをお迎えします!

「健康な住宅、クリーンなエネルギー、平和な社会を実現するため、
都市に住む私たちにできることは?」


エネルギー、農業、住宅、森林、自給、経済、、、
様々な視点で私たちが抱える課題の現状を伝え、明るい未来への提案をする
田中優さんから私たちが今から始められることを学び、対話しましょう。

日時 2月7日(日)13:00~15:00
会場  Nuu ブロカント アンティークス 東京都 目黒区緑が丘1-14-7

参加費 1,000円(ワンドリンク付)  先着25名様程度限定
参加ボタンでご予約済みとなります。
主催 slowマルシェ https://www.facebook.com/slow.marche/ 
問合せ メール k@lamomo.biz 


セミナー会場は ☆Slowマルシェ☆です。
衣・食・住をテーマとしたブースが並びます。
人と大切なものを繋ぐマルシェ空間をお楽しみ下さい

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衣食住の「ほんもの」をみつける旅。
ワイン片手に回れる展示会
〜Table on the small world〜

「衣食住に関わる安心安全の『ほんもの』を広める仲間をつくりたい。」 そのためには『つくる人&つかう人』が直接つながることが大切。 本来は必要とされるべき良いものが埋もれてしまっている社会・・・ 「一生使い続けたい」と思えるような『ほんもの』に多くの人が出会えるためにできることは?
情報を交換し、小さな感動が一つ一つ生み出される場をつくろう!! そんな気持ちではじめました。

毎月第一日曜日にSlowマルシェを開催します♪
~LaMOMO 日下部~

☆日時 2/7(日) 12:00~18:00☆
場所:studio lamomo 自由が丘
http://studiolamomo.com/lamomo/

☆出店マルシェ☆
『衣』
♪ yuha* design Lab ♪
大切な洋服や着物、生地などを ステキにアレンジします♪
あなただけのオリジナルをオーダーメイド◎
新作Rebirth服や、レカンフラワーアクセサリー、コルク多肉植物たちも販売します。
www.yuha8.com

【vedouin 】
世界中の民族布を使った手作り革bag.
http://www.vedouin.com/

♪ Co. & Kokorone ♪
心地よい足もとは健やかな暮らしを支える、をコンセプトに目黒区洗足でオリジナルの革靴を製作しています。
今回は、定番の革靴とともに寒い冬にもあたたかいウールやアルパカの靴下をお持ちします。
https://www.facebook.com/cokokorone

♪ Chigunitian ♪
ビンテージパーツの再利用を中心に
少しクラシックでオリエンタルな印象が感じられるアクセサリーを作っています。

♪ コペルニクス ♪
革と布を使ってハンドメイドでお財布作りをしています。シンプルで可愛いく使いやすい物作りを目指しています。

♪ Atelier Nuu ♪ 〜アトリエヌー〜
♪ Petite Reine ♪ 〜プティレーヌ〜

今回のマルシェではプティレーヌから
スタイが勢ぞろい。

ギフトにもおすすめの赤ちゃん用よだれかけ
「Party Bib」

この機会に、お近くの方はぜひお立ち寄りくださいませ。

「Atelier Nuu」アトリエヌー
http://ateliernuu.com/

『食』
♪ hikinikuya ♪
美味しくて身体にも優しい子供でも安心して食べられる「ひき肉料理」をご提供します。
http://blog.primedia-architect.jp/

♪ FunkyChateau 2014Gris et Gris-グリグリ- ♪
可能な限り人的介入をなくしピュアでその土地を映し出すワイン生産者。
※生産者は在店しません。ロゼ[グリグリ]のみ、限定本数販売します。
http://funkychateau.com/

♪ verda ♪
presented by Nepali Bazaro Ltd.
ネパールを対象国として、生産者の自立を願い活動しているフェアトレード団体。美味しいお茶やコーヒーをどうぞ。
※当イベントでは衣類の販売はございません。
http://www.verda.bz/

『住』
♪ いざきあつしの器 ♪ 手づくりの陶器
小さな工房で手づくりの陶器をつくっています。
個性を出そうと頑張ったり、 万人から高い評価を得ようと欲張ることなく、 ひたすら楽しくつくることで使い手にも楽しさが伝染すると思いながら、日々の心が少し豊かになる器をめざしています。
ひとつひとつちょっと違いのある器とのピッタリくる出会い(器との縁)と、 使う人の特徴が器に出てくる経年変化(器を育てる)を楽しんでみませんか。
https://www.facebook.com/aiutsuwa?_rdr=p

♪ オープンサイト建築設計事務所 ♪
地場の素材を生かし、かつ新しい空間体験を提案する建築設計事務所です。当日は普段の商店街から出張し、住まいの無料相談を行います。

http://opensiteas.com/






2016年1月28日

木村草太さん 「小学校道徳教育の驚きの実態」

田中優より「木村草太さんという法学部の先生、いつもとても分かりやすいし高度だし原則を踏み外さないすばらしい人だと思う。

 文中から。

 「法は、人間味のない冷たいものではない。法は、人類の失敗の歴史から生まれたチェックリストだ。憲法は、国家が権力を濫用し、人々を苦しめてきた歴史から、国家の失敗を防ぐ工夫を定めたリスト。民法は、人々の生活の中で生じやすいトラブル集とその解決基準。刑法は、よくある犯罪集とそれへの適正な刑罰の目安を定めたリストだ。
法学を学ぶということは、人々の失敗の歴史に学ぶということだ。」


◇   ◇   ◇   ◇  

「これは何かの冗談ですか?
小学校「道徳教育」の驚きの実態」
 (現代ビジネス 2016.1.26)

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47434?page=3

2016年1月26日

損失額は21兆円に倍増…年金資産の運用見直しは大失敗

田中優より
「『年金資産の“
ギャンブル運用”はホント、やめてほしい』とあるけれど、正常化するには今の与党ではダメ。
子どもじみていて、短気ですぐ切れてウソついて、説明もしない、できないような政治家ではなく、きちんと私財をなげうってでも責任を取るような政治家たちにしないと。」


  ◇   ◇   ◇   ◇  


損失額は21兆円に倍増…年金資産の運用見直しは大失敗」(日刊ゲンダイ 2015.1.15)

約130兆円の年金資産を運用するGPIFは昨年10月、「国内株式」の投資比率を12%から25%に引き上げることを決めた。そこで民主党の長妻昭衆院議員が、運用見直しで想定される今後の損失額を質問主意書で問いただし、9日付で政府答弁書が閣議決定したのだが、その中身にビックリ仰天だ。経済「中位」のケースで、「確率95%で予想される最大損失額」は約21・5兆円となり、見直し前の損失額(約10・4兆円)と比べて2倍に膨らんだからだ。

全文はこちらより http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156399/1

2016年1月23日

動画 『田中優宅 古民家から天然住宅仕様へ  基礎断熱・コンクリート・ソーラーウォーマー説明編 』

【2016.1.21動画をアップしました!】

youtubeチャンネル 「
TANAKAYUinfo」より


 『田中優宅 古民家から天然住宅仕様へ 

基礎断熱・コンクリート・ソーラーウォーマー説明編 』




撮影日 2015.10.15 岡山 田中優宅にて

田中優宅に導入する新たな試みの断熱方法、ソーラーウォーマー、

セメント比で大きく決­まるコンクリート寿命などについて説明しています。


 ☆内容☆


 だいぶ住宅の方が進んできて、ここの床を見て欲しいんですが元のコンクリートの上に断­熱材が塗ってあるんですね。普通、断熱材と言うと住宅の外側に塗ったり床の下に断熱材­を入れたりしますが、この家ではそうではなくて、「基礎断熱」と言って、基礎(コンク­リート)そのものに断熱材を塗っています。

 それで内側に塗るだけではなくて、その後に今度はこちら側の外側にも基礎断熱の断熱材­をここの上にも塗っていきます。

 こちらの地域ではやっぱり左官屋さんがきちんと現役でいて、東京などでは左官屋さんは­本当に仕事がなくてみんなバチンバチンタッカーで留めたり、ベニヤ板を貼ってそれで終­わってしまうんですが、こっちの地域ではまだちゃんと左官屋さんがいるんですね。

 その左官屋さんがこうやって塗って仕上げてくれていますが、その左官屋さんに話を聞い­てみたらとっても面白いことがありました。



 ここのコンクリートを見て欲しいんですが、このコンクリート、普通だと水セメント比で­水が65%を入れられるんだけど、ここの場合には「50%」しか入れていないんです。­50%以下の固練りしたコンクリートだと、コンクリート自体「300年」使えるように­なる、ということで固練りして打ってありますが、何とあまりにも見事にツルツルに密に­コンクリートを打ってあるので、最初に塗ろうとしたら普通のコンクリートならスルスル­と塗れるのに、このコンクリートは滑ってしまって塗れないという事態が生じたそうです­。

 でももちろんこんな基礎断熱なんていう例はたぶん全国的にもほとんどないし、そしてそ­の断熱材のためにこうやって「パーライトを含んだ鉱石」を塗り付けるという例もないと­思います。

 もちろんその業者さんの方はこんなのは初めてだと言っていて、そしてこんなに固く打っ­たコンクリートを見るのも初めてだとも言っていました。

 おかげで今こうやって内側が断熱がされて、そしてこの後床のところに普通断熱材を入れ­るんですが、この家では床下には断熱材を入れません。何せ基礎が断熱してあるので、そ­の必要がないからです。


 そして、こうやってコンクリートで打ってしまうと、最初の1~2年はどうしてもコンク­リートから湿気が出てくるので、その湿気がずっと上がってきてしまうのではないかと普­通は心配します。もちろんぼくも心配しました。

 

 そこでここに穴が空けてありまして、この穴は何かと言うと、「ソーラーウォーマー」と­いうのをつけるための穴なんです。ここにソーラーウォーマーという窓ガラスみたいなの­を置いて、それは外の電源は一切使いませんが、その中にはどんどん空気が温まってくる­と、そのソーラーウォーマーには太陽光発電パネルも少しだけついていて、そのパネルで­発電をした電気でここからファンで温かい空気を送り込むんです。

 それをすることによって床下暖房と同じことを実際にやってしまおう、そして床下で暖房­をすると同時に乾燥した空気が入っていくわけなので、それによってコンクリートの湿度­を抑えてしまおう、飛ばしてしまおう、ということで、ここにソーラーウォーマーが後か­ら設置されることになっています。

 そんな形で今作っていて、今度は外側のところに左官屋さんが断熱材を塗るんですが、こ­れがあまりにもツルツルなので、今度塗る時には多少キズをつけてそのコンクリートの上­にその左官屋さんがパーライトを含んだ鉱物を塗りやすくするつもりだと言っていました­。

 ですからこのコンクリートはかなり密に打たれていて、ぼくとしては人に見せたいコンク­リートなんですが、残念ながら断熱材で囲まれてしまうので、外からは今後は見えなくな­ってしまうということになる予定です。
それが床についてのこだわりです。


https://www.youtube.com/watch?v=Rd6YyrXziO8




***  2016.2.14 は 

田中優宅「完成披露見学会」

~伝統工法で作る天然住宅仕様&オフグリッドミニマムハウス~ です!***

ファブリーズやっぱり危険だった!

田中優「こういう危険性より「臭いが心配」の方が大事なの?」

  ◇   ◇   ◇   ◇  

「やっぱり危険だった!P&G『ファブリーズ』の除菌成分に生殖異常・精子減少リスク──汗や臭い対策の薬用化粧品でも使用」


 P&G『ファブリーズ』等に使用される除菌成分「Quat」(第四級アンモニウム塩)
によって、メスのマウスで妊娠率や生まれる胎仔数の減少、オスで精子濃度や運動
性が減少したという研究が米国で発表され、先月(11月18日)、環境団体が警告を
発表した。

 カーペットや布団に噴霧したものを吸い込んだり、子供がなめたり、また車用の
場合は直接吸入されるため、妊娠中の母親、赤ちゃん、若い男性は、使用を控えた
ほうがよい。布団へのスプレーで噴霧される量の0.8%以上を飲み込むだけで安全と
は言えない量となる計算だ。

 ファブリーズ以外にも、第四級アンモニウム塩は、汗やにおい対策の薬用化粧品
などに、殺菌成分として使用されている。

 要注意の化粧品を一覧表(5つめの画像参照)にしてつけたので、購入時にチェ
ックしてもらいたい。


全文はこちらより
http://www.mynewsjapan.com/reports/2216

2016年1月20日

2月14日(日) 田中優宅「完成披露見学会」~伝統工法で作る天然住宅仕様&オフグリッドミニマムハウス~

昨年9月に地鎮祭、10月に上棟式、構造見学会を行いました岡山の田中優宅がついに2月に完成致します!

それに伴い2月14日に
完成披露見学会を行うことになりました。

この機会に新しい試みがたくさん詰まった

"次世代の、未来の当たり前の住宅"をご体感ください。
皆様のお越しをお待ちしております。



◆◇◆ 完成見学会 ◆◇◆


当日は田中優より


●エネルギーの自給装置(パーソナルエナジー、太陽光パネル、自エネ組システム)、
太陽熱温水器、ペレットストーブ、ソーラーウォーマー、ハニカムスクリーン、
ガルバリウム鋼板、LOW-Eガラスなどの説明








●伝統建築工法である板倉造りや杉、能登ヒバなどの木材をふんだんに使用した柱や床や壁







●新たな試みの断熱方法



●天然住宅仕様と通常の住宅との違いなど


説明させて頂き、ご質問にも直接お答え致します。


☆木材は防腐剤などの化学薬品に漬けず、くんえん乾燥や低温乾燥された宮城・栗駒木材のものを使っています。ぜひ
本当の木の香りを嗅いて、触って感じてみて下さい。








★電力会社の電線は最初からつながっていませんので、当日もオフグリッド(太陽光パネルにて発電&蓄電)で見学会を行います。



■日時 

2016年2月14日(日) 
 午前の部 10:00~12:00   午後の部 13:30~15:30


(午前と午後は同じ内容です。ご都合の良い方をお選びください。)


■場所  岡山県和気郡和気町 (山陽本線 和気駅より徒歩15分)  


駅までお迎えが必要な方はご連絡ください。
駐車スペースは限りがありますので、車でお越しの方はその旨あらかじめご連絡ください。


■参加費 (資料代含む)
・有料・活動支援版メルマガご購読者 または 前回の構造見学会に参加された方  400
・一般の方 500円


■お申込・ご質問


田中優ホームページ「講演・取材お申込」

http://www.tanakayu.com/form/contact.html より
構造見学会参加申込みの旨ご記入のうえ、送信ください

または

こちらのfacebookイベントページより「参加する」ボタンを押してください。
その後直接メッセージを送らせて頂きます。

https://www.facebook.com/events/538025513032791/

その他、スタッフ渡辺 携帯 090-1544-0085 でも受付しています。
(内容に行き違いのないよう、できるだけメールかfacebookにて頂ければありがたいです。)


■主催 合同会社OFFICEYU (田中優事務所)

■協力 (株)ウエイクホーム(和気町、今回の施工工務店様、 代表 延藤 眞康 様)


皆さま様お気軽にお越しください。お待ちしています!!

















クリーンなディーゼルエンジンに注目!マツダ スカイアクティブ

田中優より
「このマツダの
スカイアクティブ・ディーゼルの技術もすごいと思う。
普通は出力最大を考えてから公害対策をするだろうに、マツダは公害を出さないエンジンから考えてその出力を上げる仕組みを考えた。

 ただし初期不良問題はどうなのだろう。マツダと聞くとその問題が頭をよぎる。
利用した人はいますか?」


  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼ Mazda スカイアクティブ ホームページ
  http://www.mazda.com/ja/innovation/technology/skyactiv/skyactiv-d/ より


2016年1月19日

1月24日(日)東京・江東区にて無料講演会

2016江東ネット 新春の集い 「田中優さんに聞く 環境のはなし」

日時  2016年1月24日(日) 14:00~16:00


会場  江東区文化センター 3F 第4・5研修室

     東京都江東区東陽4-11-3 TEL03-3644-8111
     http://www.kcf.or.jp/koto/map.html

参加費 無料


主催  江東・生活者ネットワーク


問合せ・申込み TEL03-3636-9044 koto@seikatsusha.net



2016年1月16日

2015年に配信した田中優 有料・活動支援版メルマガ一覧

2015年も原発・電力問題、オフグリッド、戦争、地球温暖化、お金、TPP、ダム、木材、セシウム、農薬・農法などなど、様々なテーマを対象に丹念に調べ上げて田中優なりの考え・解決策を提示してきました。

2016年は現在のクレジットカード払いのみではなく、銀行振り込みによるお支払い方法もできる予定です。
ご購読いただいている皆様、誠にありがとうございます。

また、バックナンバーのみのご購読も可能です。
ご購読で田中優の活動のご支援を頂ければありがたいです。

2015年中に配信しまいした記事はこちらです。
ご興味のあるものがありましたらぜひご一読ください。


☆登録・バックナンバー購入はこちらより
 http://www.mag2.com/m/0001363131.html



========= 2015年ラインナップ ==========
 

【2015.12月】
第105号 「地球温暖化問題を考える~COP21の忘れ物~(上)」(2015.12.30)
第104号 「やっぱりオフグリッドが解決策か」(2015.12.15)

【2015.11月】
第103号 「自動車の未来はどっちだ(下)」 (2015.11.30)
第102号 「自動車の未来はどっちだ(上)」 (2015.11.15)

【2015.10月】
第101号 「貿易とは何か? TPP(環太平洋地域による経済連携協定)に反対する 」 (2015.10.30)
第100号 「休眠預金の活用ってなに?」 (2015.10.15)

【2015.9月】
第99号 「常総市の洪水とソーラーパネル開発の関係(下)」 (2015.9.30)
第98号 「常総市の洪水とソーラーパネル開発の関係(上)」 (2015.9.15)

【2015.8月】
 第97号 「貧困問題にどう対抗するか(下)」 (2015.8.31)
 第96号 「川内原発再稼働は、私たちの暮らしのリスクを増やす 」(2015.8.20)
 第95号 「貧困問題にどう対抗するか(上)」 (2015.8.15)

【2015.7月】
 第94号 「戦争体制一歩手前 私たちに何ができるか(下) 」(2015.7.30)
 第93号 「戦争体制一歩手前 私たちに何ができるか(上) 」(2015.7.15)

【2015.6月】
 第92号 「バーチャルからリアルへ(下)太陽光発電からの電気で暮らすために」(2015.6.30)
 第91号 「バーチャルからリアルへ(中)太陽光発電からの電気で暮らすために」(2015.6.15)

【2015.5月】
 第90号 「バーチャルからリアルへ 太陽光発電からの電気で暮らすために  」(2015.5.30)
 第89号 「生命の掟(下)吉田俊道さんの農法を考える 」(2015.5.15)

【2015.4月】
 第88号 「生命の掟(上)吉田俊道さんの農法を考える 」(2015.4.30)
 第87号 「古民家から天然住宅へ」 」(2015.4.15)

【2015.3月】
 第86号 「リバースモーゲージで、安心な老後をつくれるか」 」(2015.3.30)
 第85号 「セシウム汚染木材問題(下)汚染された木材をペレットとして使うことに問題ないだろうか」 」(2015.3.15)

【2015.2月】
 第84号 「セシウム汚染木材問題(上)汚染された木材は、住宅などに使って問題ないだろうか 」(2015.2.28)
 第83号 「映画「ダムネーション」に寄せて(下)」 」(2015.2.15)

【2015.1月】
 第82号 「映画「ダムネーション」に寄せて(上)」 」(2015.1.30)
 第81号 「原発に依存しない社会をめざすには」 講演録(2014.10.23)より 」(2015.1.15)





2016年1月15日

1月31日(日) 天然住宅お住まい見学会&田中優講演@所沢

★キーワード★
板倉づくり 漆喰 断熱内窓(暖窓) サーモスクリーン 蓄熱式床暖房 雨水タンク 太陽光発電パネル etc
 
レンガと漆喰と洋瓦の家 完成見学会@所沢無垢杉の断熱内窓



お住まいになられて4年目のお住まい見学会を開催します。

毎年、真夏と真冬に見学会を開催させていただいており、
冬、夏ともに来場者の皆様に心地よいと大好評いただいているお宅です。


今回は「真冬の見学会」です。ぜひ、冬の天然住宅を体感しに来て下さい!


一般住宅の約3倍量の木材を使用した新板倉づくり、外観はレンガと漆喰で、周りの植栽に馴染んだ雰囲気となっています。

また、ご主人の意向で温熱環境にとことんこだわりました。
1階の大きな掃出し窓には通常の窓の内側に木製の暖窓(だんまど)とサーモスクリーンを設置し、夏涼しく冬暖かい空間を実現しています。


その他、素材工房オリジナルの蓄熱式床暖房、漆喰の塗り壁、
雨水タンクや太陽光発電パネルなどの自然エネルギー設備も充実しています。


設計士とゼロから作った住宅、建主さまのこだわりがたくさん詰まった家を是非見に来てください!


■日時 2016年1月31日(日) 13:30~15:00
 
■場所 埼玉県所沢市(西武新宿線「所沢駅」)から徒歩10分
 
■参加費  無料
 
■内容  お住まい見学会 + 田中優の講演
 
■お申し込み こちらより申し込みください。
http://tennen.org/event/tokorozawa-2.html 



★建物データ

敷地面積:215.63㎡(約65.22坪)
延床面積:139.44㎡(約42.17坪)
間取り:4LDK
工法:木造(新板倉工法)

2016年1月14日

ソフトバンクが東電と提携して電力&通信販売

田中優より
「どう考えたらいいのかな?
ソフトバンクが東電と提携して電力&通信販売
原発事故に懲りたんじゃなかったのかな?
今も東電は再稼働しようと虎視眈々としているのに。

やっぱりガスとか私鉄とか「セット販売」するところが自由化の勝者になりそうだけど、それってズルっぽいな。そうじゃなくて方針の真面目さで選ぶんなら生協系かと思うんだけど。


結局のところ、「儲け」で考えることと「未来」で考えることの違いのように思えるんだが・・・」

  ◇   ◇   ◇   ◇  

「電力と通信・インターネットサービスの共同商品販売および新サービス開発に関する業務提携について」  2015年10月7日 東京電力株式会社  ソフトバンク株式会社

東京電力HPより

 東京電力株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:廣瀬直己、以下「東京電力」)とソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:宮内謙、以下「ソフトバンク」)は、本日、電力と通信・インターネットサービスの共同商品販売に関する業務提携に向けた基本合意書を締結しました。


 本業務提携では、全国約2,600店舗(2014年度末時点)のソフトバンクショップや東京電力の家庭向け無料WEB会員サイト「暮らしのプラットフォーム(仮称)」などを通じ、電力と携帯電話や光回線による通信・インターネットサービスの共同商品を全国規模で提供していく予定です。


2016年1月12日

日本の木材エネルギーを活用しよう


田中優「地域でお金を回したら、地域が活性化します。

日本で回したら、日本が活性化します。海外に流してしまったお金は日本経済を活性化させません。だから自給率の低いものが問題です。たとえば、食料、木材、そしてエネルギー、これらの自給率は低いです。

 戦前、日本の木材は4分の3までがエネルギーとして使われていましたが、今ではほとん使われていません。だから木材が余っています。僕らは木材をエネルギー材としてペレットストーブの燃料にする取り組を進めています。
 

 実際にオーストリアで石油燃料から木材カスに替えた例があります。そうしたら雇用者数が15倍になりました。ドイツでも自然エネルギーに替えたら12倍も雇用が増えました。自然エネルギーは出費を抑えるだけでなく、雇用も増やすんです。
 

日本がエネルギ-を輸入せずに国内で自給したら、毎年各県に5100億円の資金か循環します。こういう仕組みを地域で作っていけば、失業することを不安に思う必要なんてなくなります。
もっと生かしましょうよ、自分たちの地域を。」

過去講演より




2016年1月11日

『大飯原発の再稼働は不要だ』 

2015.11.13発行 田中優無料メルマガより転載


2011年12月に開始しました「田中優有料&活動支援版メルマガ "未来レポート"」のバックナンバー(文章のみ)を公開しています。

今回は、2012.5.30発行 第15号 『大飯原発の再稼働は不要だ』です。

どうぞ"お試し読み"ください。

最新版、バックナンバーのご購読希望の方は、こちらよりよろしくお願い致します。
http://www.mag2.com/m/0001363131.html

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『大飯原発の再稼働は不要だ』  (2012.5.30発行)


◆供給力が足りない

 一番もっともらしい説が原発が止まっているために発電所の供給力が足りないというものだ。

 しかしこれは奇妙なことに、関西電力(以下「関電」と略す)の言い分は「15.9%足りない」という説明から、いったん「5%足りない」に下がり、再び今は「15.9%足りない」に戻っている。

 しかも再稼働の理由も、「電力需給の問題ではない」と何度も繰り返したのに、結局は「足りないからだ」となっている。全然説明になっていない。

 この理由は、足りないとする電力供給元を調べると理解できる。

 関電や政府の電力供給量の想定と、市民側の示す供給量の差は、主に「他の電力会社からの融通電力」と「揚水発電所の供給量」の二つの供給量が異なっていることによっている。

 関電は他社からの融通電力を少なく計算しているが、電力送電網の結節点になっている関電には、少なくとも北陸電力、中部電力、中国電力からの電気が届く。関電の「融通電力には期待できない」とする数値は、すべての地域が同じ日、同じ時間にすべての電力会社の電力消費ピークが来ることになっているためだ。だから足りなくなる。

 電気は貯められないから、どうしてもピークの消費を賄えるように発電所を用意しなければならない。

 それはわかるのだが、共同通信社の調査では、実績に基づいた上で西日本の電力6社が5%強の節電をして融通すれば、電気は不足しないという結果だった。(2012年5月17日 共同通信)

 また、これまで「原発とは関係ない、需給の観点から運用している」と言ってきた揚水発電所を、なぜこんな肝心な時に十分使おうとしないのか。供給力465万キロワットの半分ほどしかカウントしていない。ちゃんと使えば両者だけで電力の供給は足りるのだ。

 それ以外にも「太陽光などの自然エネルギー」をほとんど計算に入れていないことや、企業の持つ自家発電設備の余剰分の買い上げも検討していない。東日本大震災から一年以上の時間があったのに、休止中の火力発電所の手入れをして万が一に備えなかったなどだ。


◆本当の理由は「損するから」

 なぜか電力会社同士で融通する電力は値段が高い。だからピークの時間帯に買いたくないのだ。それが「融通」しようとしない理由だろう。


 もう一つ、揚水発電を十分に使わない理由はもっと根深い。

 揚水発電を動かしたくないのは、10の電気を受け取って水を上の池に持ち上げても、翌日のピークに落として発電するときは7しか電気を生まないせいだ。実は3割ずつ電気を無駄にするのが揚水発電で、その電気は通常、深夜に余る原発の電気を使っている。

 原発は弱火にすることができない発電所だから、発電している限り一年中、出力100%で動かす。だから深夜、電力消費が減ってしまうと電気が余ってしまうのだ。その電気の受取先が揚水発電で、「原発とは関係ない」どころか、原発がなかったら存在そのものが不要なのだ。

 ところが原発が止まっているから夜に電気が余らない。すると揚水発電所の上のダムに水を揚げるには、他の電力会社から電気を買ってこなければならない。それはとてもカネがかかる。太陽光や民間会社の自家発電を当てにしたら、今後はそこから電気を買わなければならなくなる。火力発電を動かせば、原発なしでも電気が足りると言われてしまう。だから意図的に供給力不足を作ったのだ。


◆何をすればいいのか

 本当は節電を勧めるのが一番いい。しかし勘違いしないでほしい。節電すべきは家庭ではなく事業者だ。電力消費のピークである「夏場・平日・日中・午後1時から4時」には、家庭の電力消費は10%程度であることは前回の支援版メルマガで立証した。 家庭を減らさせてもほとんど影響しないからだ。

 中でも節電効果が大きいのが業務用の電力だ。オフィスや病院、デパート、冷凍冷蔵倉庫、コンピューターのデータセンター、半導体工場のクリーンルーム」などだ。なだか節電困難として関電は除外してしまっているのだが、これこそが節電できる分野だ。現に「冷凍冷蔵倉庫、コンピューターのデータセンター、半導体工場のクリーンルーム」などでは、エアコン買換えと合理的な運用で、三分の二の節電が実現している。

 特に伸び率が大きいのがオフィスだ。オフィスではエアコンが45%、照明が21.3%を占めている。

 まず照明は反射板付きのHf型蛍光灯に変えれば一本で二本分の明るさになる。詳しくは「電気をカエル計画」のホームページを見てもらえばいい。またエアコンを節電型に変える前に熱の半分が逃げる窓に省エネ対策をしてほしい。それだけで少なくとも半分以下に節電できる。

 さらに節電型のガスヒートポンプ型に換えればランニングコストが下がる上に電気消費は10分の1から20分の1に下げることができる。オフィスは半分の電気で今と同じにできるのだ。
 しかも節電型の照明に換えたのは、未だ全体の20分の1のオフィスだけだ。


◆節電にインセンティブ(動機付け)を

 それが進むのは、やはり節電すると電気料金が安くなる仕組みを導入することが一番だ。節電すればするほど得になる電気料金にしたなら、事業者はコストに敏感だからあっという間に節電するだろう。


 ところが現状の事業系の電気料金は、使えば使うほど安くなる。関電はもっと悪い。

「はっぴeポイントクラブ」なるものを作り、電気消費を増大させるオール電化を推進し、電気を使うともらえるポイントを作り、電気消費を促進している。東電はなんとか節電すれば得する電気料金を家庭向けだけだが導入したが、関電にはその気配すらない。それで電気が足りないというのだ。

 節電も進めず、融通電力も買おうとせず、発電施設も復活させようとしない。どこかの総理が「私の責任で」などと言うが、あんたの責任で大地震が止められるとでも思っているのか。
 副大臣を現地に人身御供で置くようだが、盗塁したいランナーみたいに「リーリー」言って逃げる準備をしているだけだろう。

 大飯原発は免震棟を持っていない。オフサイトセンターは海抜が低くて原発より先に水没する。

 3,4号機の後ろには崖があって、地震で崩れ落ちる危険性がある。

(写真)



 

 その場所に電源車を配置しただけで万が一のときには電気が届けられると言っているだけだ。冗談のような状態だ。

 しかし地震の発生確率は低いだろうから、とタカをくくっているのだ。それを「私の責任で」と言う。絶望的な無責任状態だ。


◆企業会計のためのいけにえ

 2012年5月16日、民主党内の作業部会の合同会議で、仙谷政調会長代行は、「需給問題とは別に、再稼働せず脱原発すれば原発は資産から負債になる。企業会計上、脱原発は直ちにできない」と話した。

 現状の関電の総資産1.5兆円のうち、原発関連が8900億円を占めている。それが廃炉となると、原発は「資産」から「負債」に変わる。残りの資産額6400億円も、毎年約2400億円の赤字経営なのだから、あと3年ほどで経営破綻だ。


 本当の原発の発電コストは高い。詳しくは「原発のコスト(大島堅一著/岩波新書)」
を見てほしい。
(グラフ)

 原発が重荷となって破綻寸前になっているのだ。特に原発を作りまくった関電の会計は瀕死の状態だ。しかしそれを救うために国民の命を賭けるのはおかしくないか。

 今の政策のままだと、原発は動くほど負債を増加させる。動けば使用済み核燃料が発生して将来のコストを増やす。しかしその負債である「使用済み核燃料」を「資産」扱いさせてきたのだ。

 再処理して「新燃料」として使うという偽装シナリオのもとで、猛毒の有害物質を「資産」として計上させてきた。そのために、動かさなくても維持費だけで毎年1100億円かかる「六ヶ所村再処理工場」や、同じく200億円以上かかる「高速増殖炉もんじゅ」を資産扱いさせてきた。

 原発を止めると総発電コストが上がるのは、火力発電の燃料代のせいではない。原発は動いていなくても数百億円の維持費がかかるのだ。これはきっぱりと清算しなければ、もっと費用がかさむことになる。

 愚かな政府は時間を稼いで、その間に電力会社に利益を上げさせ引当金を積み、債務超過にならないようにしたいと考えている。しかしそれなら、企業会計に例外を設けた方がまだましだろう。

◆世論30%を「いやいやながらの容認派」にしようとしている

 しかし2012年3月の「日本世論調査会調査」では、将来は原発をなくす「脱原発」派に、「賛成」が44%、「どちらかといえば賛成」が36%、合計で80%だった。


 その一方で停止中の原発について、「電力需給に応じ必要分だけ再稼働を認める」
が54%だった。「電力が不足するのなら、安全が確認された原発は再稼働させてもよい」とする人が51.5%と過半数を占めている。

 ということは、停電で脅せば、人々は「停電するのは困るから再稼動を認めよう」と考えることになる。

 「停電」で脅かせば、キャスティングボードを握っている人々を、「いやいやながら原発再稼動を容認する」状態にすることができる。「いやいやながらの容認派」に仕立てることが、今回の計画停電の目的なのだ。

 しかし現実のデータで調べてみると、昨年の東電が行った計画(輪番)停電は過剰なものだった。

 電気が逼迫したのは震災直後の発電所が停止していた一週間で、

(グラフ)

 しかも時間帯は平日の10時~12時、土日の午後6時となっていた。
(グラフ)

 土日の消費量は平日より2割少ないから、電気が逼迫しないのに計画停電で脅された。電気消費は気温が低い日に高くなっているが、それは効率の悪いエアコン暖房と、「オール電化」が原因だったことは明らかだ。
(グラフ)

「東京電力でんき予報」より作成 http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html


 一日の中で消費ピークが出るのは「平日の午前8時から12時」と、「休日の夕方18時から22時」だけだというのに、計画停電の予定時間は、午前6時20分から夜22時まで行われた。続いて意味のない「節電協力」が行われ、自主的な節電協力による電車の間引き運転と混雑、暗い車内、夜の街路灯の消灯など、ずっと圧迫されていた。
 ピークの出るはずのない夜間に街路灯が消され、強盗の増加と不便を強いられた。

 これに人々は懲りて、「脱原発」なんて言わなくなるだろう、というのが為政者と電力会社の考えだろう。

 実際に人工透析患者の透析時間が短縮されたり、在宅で酸素療法の患者が停電により酸素供給が停止したりして、死者も出ている。こんなひどい話を放置していいのだろうか。


◆知っておいて! 停電は偽装だ!

 大口電気需要家に対する「電力使用制限令」は見送られた。電気事業法に基づき、大口の契約電力500kw以上需要家の使用最大電力を制限する措置だ。しかし実行されることになった「計画停電」は、家庭や商店などの小口需要家だけに地域を区切って停電させるものだ。大口契約者にやさしく、家庭や小口の消費者に厳しい。

 特に中小零細は大変だ。停電が起これば、バックアップ電源を持っていない中小零細企業は大事なデータを失うかもしれない。

 「どうしてくれるんだ、市民がバカみたいに原発なしでも電気は足りると騒いだおかげで我々の業務には大きな被害が出たんだ。やっぱり原発なしでは雇用も守れない、原発再稼働は生命線だ」と怒りだす。

 こうして「原発神話」は復活するのだ。政府や電力業界が信頼に値するかどうかは、昨年の「輪番停電」の現実から明らかではないか。


 私たちにできることは、このことを多くの人に知らせることだ。後になって「偽装だった」と「検証」するだけのメディアではダメだ。しかし今の私たちには、インターネットとSNSがある。

 彼らが偽装停電ができなくなるくらいに多くの人に知らせよう。ここは市民の伝達力と、推進側の伝達力の勝負になる。

 もちろん推進側の方が物量ともに圧倒的だ。しかし市民の小さな伝達が何度も繰り返し行われることで、彼らの偽装停電を止められることになるかもしれない。可能ならチュニジアのジャスミン革命のような伝達力を持って、彼らのもくろみを失敗させたい!



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