2018年2月17日

20年前に出版した本に、日本の不妊問題を予言!?

先日、NHKクローズアップ現代の番組にて「男にもタイムリミットが!?~精子“老化”の新事実~」が放送されました。


これに関連して田中優からです。

田中優も今から20年も前にこの危険を指摘していたんですね。

田中優より

これはぼくが1998年に出版した本(環境破壊のメカニズム)に書いたこと。


そのまま抜き出してみる。

「日本には・・、危険な化学物質が溢れている。そのせいだろうか。

日本で今、子供が生まれなくて悩む人が増えている。
 
九五年に日本国内で人口受精を受けたカップルの数は約二万五千組である。

この内六千九百組は精子の減少等の重度の不妊で、たった一つの精子と卵子から受精することのできる顕微鏡を使った「顕微受精」を受けている。
 
そしてある医科大学の講師が学生を使って調べた結果では、その三割に重度の不妊が認められたという。日本人は「女性の社会参加やライフスタイルの変化によって、子供を作らなくなったので少子化した」のではなくて、生むことができなくなったのかも知れないのだ。

 さらに見ていくと、九〇年から九五年にかけての世界人口の増加率は著しく低下している。あれほど「人口爆発」と騒いでいたのに、現実の側は逆の傾向を示し始めている。人口の増加率だけの比較で言えば、七三年の頃の増加率と比較して九四年の増加率は六十一%でしかない。
 
このままのペースで内分泌攪乱化学物質が増えて生殖機能を傷め続けるのなら、あと五十年ほどでこの地球上に一人の子供も生まれなくなると警告する学者もいる。この深刻な衝撃により、この本は「沈黙の春(レイチェル・カーソンの書いた歴史的な名作、特にDDT等の農薬の生物への影響を示した)」の再来と言われている。
 
 不妊の効果で言うなら、放射能もまた同様の効果を持っている。

例えばチェルノブイリ事故の時に放出されたセシウムは、少女の卵巣に蓄積して不妊化させる可能性がある。
 
 九七年三月、動燃は東海村の再処理工場で爆発事故を起こしたが、その時放出された放射能は「微量で安全上問題ない」どころか、すでに見たようにように今後の人々を間違いなく傷つける。しかも「完全犯罪」のように確率的影響があるのみで、特定の患者から原因を割り出すことは不可能である。
 
このような「確率的に」影響を及ぼす物質が増え続け、今ではその「複合汚染」が通常である。この結果、誰も犯人と特定されないまま、全員が生きられなくなる期限が近づいて来ている。これをあいまいに放置するならば、人間は「商業利益」のために消されていくだろう。
(「環境破壊のメカニズム」北斗出版/.当時)」