2009年4月23日

建築家、相根昭典さんのこと、5月2日見学会

本日配信、
メルマガ第44号より






□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■□■□


建築家、相根昭典さんのこと

 もちろん相根さんは、今「天然住宅」で一緒に活動している仲間
だ。でも数年前にパネルディスカッションでご一緒するまでは知ら
なかった。それから数年後、あるとき突然に相根さんから連絡があ
った。「新しいエコビレッジができたから見に来ないか」と。
 ぼくは20年前から熱帯林破壊の問題があって、建築について調べ
ていた。木材が育つのに50年かかるのに、それより寿命が短い建物
を建てるのは間違っているし、そもそもシロアリから見たらケーキ
のお城に見えるような外材で建てていいはずがない。シロアリに家
を食べられたくなかったら、材料を選ぶことが大切だ。今の住宅に
よく使われる米ツガやホワイトウッドは、シロアリに食事を提供し
ているようなものだ(表)。


 熱帯林が壊されていく一方で、日本国内の木材が見捨てられ、森
は荒れ果てていくなんて、どう考えてもおかしい。
 そのこともあって、たくさんの建築家の人に会うたびにいろいろ
聞いていた。しかし納得できるほどの建物がなかった。

 相根さんの建てたものを見て、本当に驚いた。
 木材は国産、しかもコンクリートの場合には外断熱。しかも木材
を通常の倍も使いながら山側にきちんと支払いし、それでいて建物
価格は決して高くない。しかも快適で健康に悪い素材を使わないし、
そうした素材の開発から始めている。コンクリートは水を少なく打
っているので、寿命は桁違いだ。グラフを示したので見てほしい。
相根さんの建物は水セメント比が50%以下だから、約300年長持ちす
る。ぼくが考えていた理想の住宅に限りなく近いものだった。

 日本人は一生で計算してみると、明らかに住宅貧乏に陥っている。
寿命の長くない住宅に住んで、ローンを抱えて、健康にも問題ある
建物に暮らして一生を終える。一方のヨーロッパでは、ずっと長く
使える住宅に住んでいるおかげで、収入が多くなくてもずっと豊か
に暮らしていける。
 そう何度も買い換えられないものだから、住宅貧乏にだけはなっ
てほしくない。木造住宅でも今の木材は高温乾燥した木材を使って
いるので、細胞が死んでいて長く使えない。80℃を超えると木材の
細胞は死んでしまうのだ。だから実際、建ててる最中に折れたりす
る。相根さんの建てている住宅では、木材も生きたままだ。しかも
シロアリに食べられない材を使って、さらに安全素材で防虫もする。
 ベニヤで建てる住宅が主流になっているが、そのベニヤの接着強
度は15年で半分になる。ニュージーランドのラジアダマツではわず
か3年だ。これで本当に住宅を作っているつもりなのだろうか。

 ぼくが初めて見て驚いた、「きのかの家」の見学会がある。あと
数戸だけ空きがある「小石川エコビレッジ」の参考にと、新たに組
まれたものだ。同じ造りになるので参考になると思う。
 相根さんは善人でお人好しだ。ぼくのほうがよほどあくどい。あ
る意味、愚直だったからこそこんな住宅を作れたのだと思う。ぼく
にとって、相根さんを支えることは楽しみのひとつだ。こういう人
がいるから、社会はわずかながらも進んでいくのだろう。

 わずかな数だが見学できるので、参加されたい人は申し込みして
ほしい。


*************:

小石川エコビレッジにご関心をお持ちの方は特にご注目!

「天然住宅」主催 アーバンエコビレッジ見学会 5/2(土)のお知らせ
http://tennenjutaku.seesaa.net/article/117569564.html


日時:5/2(土)13時~17時(予定)
場所:町田市内
内容:相根昭典、田中優による紹介プレゼンテーション
「生活を安心なものにする暮らし方
--おカネに頼らない暮らしをめざして」
住民との質疑応答、共用部見学、住戸見学(予定)
参加費:2,000円

お申込:先着20名様限定
http://tennen.org/kengakuentry52.html

「天然住宅」の母体である健康エコ住宅設計事務所
アンビエックスがプロデュースした、
アーバンエコビレッジ型のマンションが町田市にあります。

特徴は以下。
・自然素材(無垢材、健康建材など)
・エコな工夫あれこれ(屋上菜園、外断熱、太陽熱温水器など)
・コーポラティブ形式(住民予定者参加で建物完成まで2年)
・コミュニティ(約30戸が長屋のようにゆるやかに)

小石川エコビレッジに関心ある方には、とても参考になる
前例と存じます。

今回は特別に
代表 相根昭典の健康エコ住宅ミニセミナーと
共同代表 田中優の エコ資産ミニセミナーも。
「生活を安心なものにする暮らし方
--おカネに頼らない暮らしをめざして」

ぜひこの機会をご活用ください。

なお、化学物質過敏症、電磁波過敏症の方もお住まいですので
ご参加の際は衣服や整髪料、香水、タバコ等につきましては
ご配慮いただけるようよろしく御願いいたします。



問い合わせ  非営利中間法人 天然住宅
〒152-0031 東京都目黒区中根1-10-18
Tel:03-5726-4226 FAX:03-3725-5652
Mail:info@tennen.org
http://tennen.org/