2013年6月14日

「電力会社に頼らない暮らしへ」

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第232号
2013.6.14発行

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□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■ 


 『 電力会社に頼らない暮らしへ


 署名やデモに疲れ、選挙結果に絶望した今、それでもやれることがある。
それが「送電線(グリッド)に頼らない暮らし」だ。
 ついに長年の夢がかなう日が来た。電力会社とオサラバする。自宅で作った
電気で自給するオフグリッド生活だ。
 だからといって努力忍耐するわけではない。従来通りに電気を使って暮らす。
電気は太陽光で発電する。それを電力会社に売るのではなく、自宅のバッテリー
に貯めこむ。装置は慧通信工業の「パーソナルエナジー」だ。



パーソナルエナジー



岡山の田中優自宅の古民家と太陽光パネル



 自宅で発電した電気で賄うから送電線につながなくていい。原発に頼らない
暮らしをするためだ。これまでの歯切れの悪い話ではなくて、完全に自立する。


 電力会社に販売した方が利益にはなるのだが、つなぐ6600ボルトの送電線は、
50万ボルトの高圧線の5,739倍も送電ロスする。本当は送電ロスで消えているの
かもしれない。そうなると太陽光発電設備は社会的損失になる。
 お金の問題ではなく、きちんと使いたい。

 それを可能にしてくれたのがパーソナルエナジーだ。そのバッテリーは10kW
あるから、省エネしている我が家なら3日分ある。しかも使いながら蓄電でき
るし、電気の残量もきちんと表示され、万が一の時には小さなガソリン発電機
にもつなげられる。

 送電線(グリッド)から自由になるのだ。無理にオフグリッドしなくてもいい。
最低の電気だけ買って貯めることもできるからだ。


 電力会社は利益の9割を家庭や小さな商店から得ている一方で、6割の電気
を消費する大きな企業からはわずか1割の利益しか得ていない。都合の悪いコ
ストは家庭に負担させてきたのだ。もし今後、家庭の電気料金を値上げしよう
とするなら、家庭は自給で逃げることができる。すると電力会社は、コストの
かかる原子力のような発電はできなくなる。それが狙いだ。


 ドイツではグリッドパリティー(他の発電方法の発電単価と、太陽光発電の
発電単価が同じになること)を、2012年に実現した。今後どれほど自然エネル
ギーを伸ばしても、電気料金が高くなることはない。太陽光発電こそ、最も高い
自然エネルギーなのに。
 今後でさまざまに発電した電気を無理なく使うことができる。
 たとえば温泉熱の温度が高ければ、水で薄めるのではなくバイナリー発電する
ことができる。別名温泉発電だ。

 70℃以上の温水なら、コベルコが開発したキットで80Kw発電する。地熱発電
よりこの方が日本の実情に合うのではないか。

 地熱発電が盛んなアイスランドでは、温泉プールに入ることはあっても温泉に
入るという習慣はない。日本は温泉利用が多いのだから、効率は下がるにしても
バイナリー発電の方が実情に合うように思う。


 さらに電気自動車も発達してきた。一番望ましいのはガソリン自動車を町の
整備工場で改造することだ。これなら地域の整備工場を役立てることができる。
電気自動車の燃費は抜群に高いから、経済的にもメリットになる。
 もちろん電気は自宅の発電だ。
 問題なのはバッテリーの効率の悪さと価格だ。しかしオフグリッドが進展する
なら、バッテリーの性能は上がり、価格は下がる。現にパーソナルエナジーの
使用するリチウムイオンバッテリーでは、10,000サイクルもの耐久性がある。
一日一回の使用なら、20年以上使えることになる。


 小さくて軽くなったバッテリーが電気自動車に乗るとき、私たちはもう地球
温暖化や資源紛争の心配をせずにクルマに乗ることができる。地方の方がずっと
暮らしやすくなり、環境の心配をすることもない。
 その第一歩を開始した。幸い省エネ製品のおかげで、これまで通りに暮らして
いても大丈夫だ。近い将来、私たちは10年分の電気代やガソリン代の合計より安い
価格でオフグリッドで暮らせるようになる。

 どうだろう、魅力的な暮らしだと思わないか。 

(5月12日開催ライヴ・アースまつやまのイベントへ向けてのメッセージより)

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★ この後、田中優自宅はLPガス発電機を導入し、完全に電力会社との配電線を
カット、オフグリッドを達成致しました。


▼その瞬間の動画はこちらです

【完全オフグリッド達成】 田中優自宅~中国電力との送電線カットの瞬間
(2013.5.22)
  http://youtu.be/QFqW2DICcYo