2013年7月19日

「会社は社会じゃない」

『会社は社会じゃない』(7/19発行の田中優メルマガより)


 福沢諭吉がカンパニーを「社会」のさかさまにして、「会社」と訳した
 就職して「これでようやく社会人」なんて言うけど、「会社人」にしかなって
ない。歯車は会社に必要だけど、社会には構成する主体が必要なんだ。
「主体になるなんて、そんな簡単にできっこない」と言う前に、せめて選挙ぐら
いは行ってほしい。それでやっと「社会人」だ。


 社会の主体になるには自らの意志が必要だ。だけど意志は持たないように、
自分だけが突出するような意見は持たないように育てられてきた。そんなこと
したら進学や就職の妨げになるからと。そうやって成功した人たちが「社会人
になり損ねた会社人」だ。意見を持たない人の存在価値って何だろう?


 日本では選挙に立候補するための供託金って高すぎる。だから金持ちや二世
議員しか立たない。でもそれを変えるには、やっぱり国会議員を出さないとダメ
なんだ。「ボクちゃん議員」や「ボケちゃん議員」が多すぎないか?


 就労世代がカネを取られ、年金世代が受け取る。なのに年金世代は投票に行き、
就労世代が投票しない。このままじゃ、永遠に奴隷たちは解放されない。


 日本の最大政党は「選挙に行かない党」だ。
「わが党を支援する方は選挙に行かないでください、そうすればわが党への一票
になります」としたら、最大政党になる。ところがこれを実現できるのが組織票
を持った政党だ。選挙に行かないでくれれば、組織票が薄まらないから勝利でき
る。だから「選挙に行かない党」は組織票政党の応援団だ。


 この国には「社会意識」はないが、「会社意識」はある。会社のことしか知ら
ないくせに社会人だなんて勘違いさせるから、会社への忠誠心とカネ儲けだけが
大事なんだと思いこむ。

 会社は社会じゃない。社会にはびこるタコつぼなんだ。タコつぼから見たもの
だけが世界じゃない。外に出て、社会を見よう。自分で判断しよう。(田中優)